経営者をやめるか、否か。最終決断を迫られている方へ

経営者やめたい

「会社をやめよう」。

退社の意志が固まり、辞表を提出して去って行く一社員とは違い、経営者はそうはいかないから苦しいですよね。

では、経営者が「もうやめたい」と思ったとき、どうしたら良いのでしょうか。

終わらせる決意をするのか。会社を継続させる覚悟を改めてするのか。はたまた、一部を人に任せるのか。

今回は、経営者が「もうやめたい」と考え、最終決断をしなければいけない状態に陥っているときの対処法をご説明します。

目次

思いつめている経営者の方に伝えたい、今やめてほしいこと              

経営者が「もうやめたい」と考えるまでには、さまざまな苦労、悩みがあったことと思います。そして、今まさに、さまざまな悩みが頭の中をぐるぐる回っていることでしょう。

・会社をどのように処理するか

・選んだ処理の手段によっては、従業員の運命を左右してしまう

・これまでに築き上げた会社の評判や地位はどうなるのだろう

・顧客との縁や信頼関係は……?

経営者の辞め方次第で、結果は変わってきますが、いずれにしても何かを失う覚悟が必要でしょう。経営者は、それだけの事柄を背負っているので、心への負担は相当のもの。

知らず知らずのうちに心が疲弊し、「もうやめたい」と考えるに至ったのだと思います。

でも、今、「やめてほしいこと」があります。

「○○をしてはいけない」という考えを捨てる

悩みごとで頭が一杯になっているときは、視野が狭くなりがちです。本来ならば、A、B、C、D、Eという解決策があるのに、悩みごとによって視野が狭くなるためにCの方法しかないと考えてしまう。その上、固定概念から抜け出せなくなり、自身を追い詰めてしまうことがあります。

今は、苦しんでいることによって、

「経営者は、弱音を吐いてはいけない」

「経営者だから、『やめたい』と考えてはいけない」

などという考えしか出てこないことと思います。

しかし、この考えはあなたを苦しめるだけ。「○○をしてはいけない」と考えるのはやめましょう。

  

自分のことを後回しにするのをやめる

経営者として、自分のことより、会社や従業員を大切にする精神を持っているのはすばらしいことです。

・自分がやめた後の会社は、どうなるのだろう?

・自分がやめたら、従業員はどうなるのだろう?

・せっかく軌道に乗り始めたプロジェクトはどうなるのだろう?

・自分がやめたら、家族はどのように思うだろうか?

経営者は抱えているものが多い分、悩む事柄も必然的に多くなります。

また、責任感があるがゆえに悩むのだと思います。

しかし、「あなた」自身のことについては、いつ考えるのでしょうか。

会社のこと、従業員のこと、家族のこと、全部大切です。でも、「あなたの心」は?

現在、あなたは苦しんでいる、悩んでいるのですから、今は「経営者としてのあなた」ではなく、「あなた」自身のことを考えてほしいと思います。

これまで、自分のことは後回しにしてきたと思いますが、今は、「あなた」を最優先してください。

「なぜ、やめたいか」を考える                            

先に述べた、

・「○○をしてはいけない」という考えを捨てる

・自分のことを後回しにするのをやめる

この2点は先入観をなくして、あなたの「心の声」に気づくための大切なステップです。

経営者が「もうやめたい」と考える理由は多くあるはずですので、余計な悩み、感情をなくしてから考えるようにしましょう。

経営関係からくる「やめたい」理由を書き出す

経営者の悩みのトップ3は「経営面」「人材面」「人間関係」。

「経営面」の中でも、「売り上げ拡大」「コスト削減」「資金繰り」は常につきまとう悩みです。

あなたが「もうやめたい」と考えるということは、あまり会社は芳しくない状況なのだと想像できます。

経営面に関しては、悩みと一緒に「問題点」も書き出していきましょう。

・商品のニーズがユーザーに合っているか、見直しが必要

・新規顧客の開拓が足りない

・広報の仕方を変えないといけない

・事務用品の経費削減を見直す

具体的な問題点が分かれば、マーケターや税理士などに意見を求めることで心の負担は軽くなります。

社内で答えが出ない場合は、専門家に依頼することも考えましょう。

感情からくる「やめたい」理由を書き出す

人と生きている以上、人間関係の悩みは、どこにでもあるもの。それが経営者ともなれば、人をまとめあげなければいけないので、気苦労は計り知れません。

たとえば、先代社長が引退し、社長職を継いだ場合。周りは先代社長を慕っていたベテラン社員ばかりで、なかなかうまくまとめられない……という苦しみがあるかもしれません。

自分より、社歴が長い人、年上の社員と絆を深めるための悩みは、経営者を継承した人が一度はぶつかる壁ではないでしょうか。

この壁を乗り越えられずに「もうやめたい」と考える経営者もいることと思います。

その他にも、会社を立ち上げたものの軌道に乗らず、部下の心が離れてしまって悩んでいる経営者や、モンスター社員に頭を悩ませている経営者も多いと思います。

今の気持ちを素直に紙に書いてみてください

・ベテラン社員との関わり方に悩んでいる

・社員と意志疎通を図りたい

・社員のモチベーションを上げたいのに、うまくいかない

「Aさんの仕事へのやる気が前年度に比べて20%落ちている」など、心を数値化することは決してできないので、意外と表現するのが難しいかもしれません。しかし、まっさらな気持ちになっている今、素直な気持ちを書き出してみましょう。

心に関する悩みは、あなたの心への負担が大きいはずですので、比較的考えやすい「経済面」や「人材面」の悩みを書き出した後に、ゆっくりと向き合うと良いでしょう。

心の悩みは、考えれば考えるほど抜け出せなくなりますし、相手の心の問題もありますので、心理カウンセラーに頼るのも1つの方法です。あなた自身の心のケアはもちろん、相手とのコミュニケーションの取り方などを心理のプロに手ほどきしてもらえば、人間関係の悩みも軽くなることでしょう。

視野を広げて、解決策を見つける                           

「なぜやめたいか」が分かったら、次は解決策を見つけていくのですが、ここでも、

・「○○をしてはいけない」という考えを捨てる

・自分のことを後回しにするのをやめる

この2点を忘れずに。 この感情があると、視野が狭くなって解決策の選択肢が少なくなってしまうからです。

物事を柔軟に考えられるように、メンタルを安定させる                 

悩んでいるとき、先の2点の他にもう1つ、視野が狭まってしまう原因となる行動があります。

それは、「自分を責める」こと。しかし、ここで間違えないでいただきたいのは、「自分を責めない=他人を責める」ではないということ。他人を責めてしまったら、悩みから目を反らすことになってしまうので、それはやめましょう。

ここで気をつけたいのは、「自分を責めすぎる」こと。

・経営者の自分が至らないがゆえに、会社の先行きが不安になってしまった

・人材育成にもっと力を入れていれば良かった

・自分がもっとしっかりしていたら…………

このように、自分を責めすぎてしまったら心はすさんでいく一方。納得のいく答えを見つけ出したり、選択をしたりするためには、心が健康でなければいけません。そこで、まずは心のケアをしましょう。

心を楽にしてくれる「呼吸法」を伝授します。

①目を閉じて鼻から息を吸う

②2秒呼吸を止める

③ゆっくり口から息を吐く このとき、ネガティブな感情を、吐き出す呼吸と一緒に身体から出すイメージで行ってください。そうすると、自然と心が楽になりますよ。

このとき、ネガティブな感情を、吐き出す呼吸と一緒に身体から出すイメージで行ってください。そうすると、自然と心が楽になりますよ。

具体的な解決策をたくさん出す

たとえば、会社の今後を考えたとき、「継続」が不可能でしたら「廃業」「売却」「事業譲渡」などの方法があります。しかし、それぞれにはメリット、デメリットがあるため、慎重に考えて結論を出さないといけません。

・会社を廃業するときのメリット、デメリット

・会社を売却するときのメリット、デメリット

・事業譲渡など、一部を他社に任せるときのメリット、デメリット

金銭面、人材面などで、いろいろと良い部分もあれば、譲れない部分もあるでしょう。経営者にとってベストだと思う解決法を見つけるまでは苦しいかもしれませんが、「経営者だから○○を選択してはいけない」という考えは持たずに考え抜いてください。そうすれば、納得のいく答えが見つかるはずです。

また、すべてを考えた上で、「それぞれのデメリットに耐えられない!」となり、「経営者として、新たな気持ちで会社を継続させよう」という思いになったのなら、それはそれでベスト。悩んだことは無駄にはなりません。「経営者をもうやめたい!」と思ったからこそ、分かったことなのですから。

行き詰まりを感じたときにしっかりと悩みと向き合えば、あなたにとってベストな答えが見つかるのです。

他者に手伝ってもらうことも選択肢に入れる                      

会社を継続させる、廃業する、譲渡する。

どの方法を選んでも、想像以上のエネルギーが必要であり、心に大きな負担がかかります。会社を継続させるためには、現状からの脱却を目指す「綿密な計画」を立てないといけませんし、廃業や譲渡する際には「さまざまな手続き」をしなければいけません。

場合によっては、夢と希望に溢れて起業するとき、または事業承継で経営者となったときよりも、何倍も、何十倍も労力がかかるかもしれません。

そこで、その「計画」や「手続き」をbizサポートに任せてみませんか?

bizサポートには、現役・元経営者が在籍しており、これまでの経験で培った知識やノウハウで助言をしたり、お手伝いをしたりすることができます。また、心が疲弊している経営者をサポートする心理カウンセラーも在籍しているので、実務、心の両面からお役に立てるはずです。経営者の「もうやめたい」という気持ちを少しでも軽くするべく、お力になりたいと私たちは考えています。ぜひ、ご相談ください。

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