(注)この事例は、当該企業へ外部から役員待遇で招かれた期間に社内で実施したものです。
【業種】
○独立系の「ソフトウェア開発」
・社員数160名程度のオーナー企業
・社員のほとんどがシステムエンジニアで、システム開発の委託先企業に出退社し、
先方の指揮命令下で作業。その委託先企業の開発PJが終了すれば、システムエンニアは別の委託先企業の開発PJへ異動
・これらのこともあって、経営者と現場の管理者層並びにシステムエンジニアとのコミュニケーション不足になりがちという状況
①悩み
○若年層の離職率が高い
・一人前になったと思ったら退職(優秀な若手ほど辞めていくという傾向)
・生産性が低くなってきたベテラン層に対する若年層の不満
・現場のシステムエンジニアの気持ちを会社は分かってくれないという不満
・若年層から中堅層のメンタル不調による休業・退職
実施内容
1.離職者状況の分析と共有
①過去の離職者の属性分析
・入社年次、勤続年数、職場の特性 等
②退職申出者への個別インタビュー
・退職に至った想い(職場風土、処遇、キャリア形成等)を聴き取り、経営者と共有
2.対応策の企画・推進
(1)コミュニケーションの促進に向けた仕組みづくり
①社員の声に耳を傾ける
・相談窓口の開設(面対、Eメール)
・入社年次別の定期面談の実施(若手社員からベテラン社員まで)
②管理者層の知識・スキルの向上
・「法令知識」、「1on1ミーティングスキル」等の社内研修の実施
③経営者と管理者層の「課題の共有と解決」に向けた会議体の設定・推進
(2)報酬・福利厚生の改善
①処遇制度の見直し
・若年層の処遇改善、能力と成果に応じた昇進スのピードアップ、公平性の確保
・それまで非公開であった賃金体系の公開(社員の理解・意欲の向上)
・管理者層に対する人事評価フィードバック手法の指導・改善
②社員の健康管理の促進に向けた仕組みづくり
・ストレスチェック分析、管理者層へのメンタルヘルスケア講習の実施
・産業医による社員の健康相談(過重労働、メンタルヘルス不調等)の実施