-無理なく始めるメンタル強化の4つのポイント-
人は、大なり小なりストレスを感じながら生きています。たとえ小さなストレスであっても、塵も積もれば山となる……蓄積したストレスによってメンタルがやられてしまうこともあるでしょう。
人生は、思い通りに行かないことが多いため、ストレスを感じるシーンに直面する機会が大いにあることと思います。むしろ、順調に物事が進むより、逆境に立たされることの方が多いのではないでしょうか。
今、成功をおさめている企業の経営者たちも、決して順風満帆なときばかりではなかったはず。苦しい時期をなんとか耐え、乗り越えたからこそ成功することができたのです。
もし、苦しい時期にメンタルをやられてしまっていたら、成功はおさめられなかったかもしれません。
しかし、苦しい時期を乗り越えて成功した企業もあれば、一方で、そのような結果にたどり着けなかった企業があることを忘れてはいけません。全力を尽くしたけれども、さまざまな原因によって苦しい状況から抜け出せず、断腸の思いで会社を畳むことになってしまった企業もあるでしょう。
残念ながら会社を畳むことになってしまっても、最後の日までさまざまな決断をしたり、処理をしたりする義務が経営者にはあります。そのため、「苦しい時期に潰れてしまう」ということがないようにしなければ、最後まで走りきることは不可能です。
そう、苦しい時期に必要なのは「強靭なメンタル」なのです。
では、どうしたら、苦しい時期に潰れることなく前に進めるのでしょうか?
今回は、大事なときに潰れないようになるメンタルづくりについてお話します。
①メンタル強化に取り組む前に、まずは疲れた心と身体を労ってあげましょう
「メンタルが弱い」と自分で思っている経営者の方たちのなかには、「経営者たるもの、メンタルが強くなければいけない」「メンタルを強くしなければいけない」と思う方が多くいます。
しかし、「~しなければいけない」といった強い概念を持つのはやめてください。脅迫されているかのごとくに「~しなければいけない」という考え方は、心に多大なストレスを与えてしまうからです。
メンタルが弱いことを自分で理解し、向上心を持つことは大変良いことではあるのですが、あまり思い詰めると、あなたの期待通りの「自分」になれなかったときに落胆してしまうからです。
今回の記事では、メンタル強化の秘訣を掲載していますが、どうかお伝えしたことを「実践しなければいけない!」「できるようにならなきゃいけない」と思い詰めないでください。心に負担をかけない程度に、実践していただければと思います。
心と身体の疲労は、どのくらい?
メンタル強化の秘訣を実践する前に、大切なことがあります。あなたの心、身体を労ることです。疲弊している心のまま、メンタル強化の実践をすると、余計に疲労がたまって、心が悲鳴をあげてしまいます。
そのため、しっかりと心のケアをしてから実践するようにしてください。
そこで、まずは心と身体に次のような症状がないか確認しましょう。
【心の状態】
・不安や緊張で、イライラしたり怒りっぽくなったりする
・些細なことで驚いたり、急に泣き出したりする
・気分が落ち込んで、やる気がなくなる
・人づきあいが面倒になって避けるようになる
・これまで好きだった事柄に興味がわかない
【身体の状態】
・肩こり、頭痛、腹痛、腰痛
・寝つきが悪くなったり、夜中や朝方に目が覚めたりする
・食欲がなくなって食べられなくなったり、逆に食べすぎたりしてしまう
・下痢、便秘
・めまいや耳鳴り
厚生労働省の「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト『こころの耳』」のサイトにおいて、「疲労蓄積度セルフチェック(働く方用)」というコンテンツがあります。
参考URL:https://kokoro.mhlw.go.jp/
このような状態になっていませんか?上記のような症状が頻繁に出ている方は、心身ともに疲れてしまっています。
心の疲労が2週間以上続いたら要注意!
先に述べた症状が2週間以上続くと、「うつ病」と診断される可能性があります。この場合は、何をおいても充分な休息をとってください。
なかなか「仕事のことは考えない!」ということは難しいと思いますが、思い切って丸一日仕事のことを考えずに、美味しいものを食べたり、気の向くままに散歩してみたりするなど、心が解放的になることに集中してみてほしいと思います。
経営者ですから、退職して心機一転、環境を変えるということは、ほぼ不可能だと思いますが、心が病気になる前に対処してほしいと思います。
②メンタルを強くする方法
会社を経営していると、苦しい局面や高い壁にぶつかる機会が多くあることと思います。そのようなとき、悩んだり苦しんだりしたとしても、動じないメンタルでいたいものですよね。次から次へとやってくる試練に、1回1回くじけたり、落ち込んだりしていたら大変です。
では、メンタルはどのようにして鍛えていけば良いのでしょうか。
「今日から毎日5分、運動をするぞ!」というように、「今日からメンタルを強くするぞ!」と意気込んで、その日から変えられるものではありません。
また、「メンタルを強くするための行動をするぞ!」と、意識しすぎると逆効果になる場合があります。凄くへこむような出来事があり、落ち込んだ際、「もう落ち込んでしまった。メンタルを強くすると決意したのに、自分はダメな人間だ」と、自分を責めてしまうかもしれないからです。
自分を責めると、心は苦しくなるばかり。メンタルを強くするどころか、心が疲弊してしまいます。
完璧主義をやめる
会社を経営するにあたり、大変重要なのは、経営者自身はもちろん、従業員の活躍です。会社に関わる人たちの働きが直接売り上げに繋がってくるので、従業員の怠けなどがあると、会社を運営することが厳しくなってしまいます。
そのため経営者は、従業員のやる気やモチベーションを上げるための制度などを導入し、日々会社の活性化を目指しています。
しかし、一生懸命働いても思い通りにいかないのがこの世の常。情勢の変化、天候や災害などの影響で、ある日突然、不測の事態が起こるかもしれません。また、このような外的原因だけではなく、従業員が結果を出せずに売り上げが低迷する……などといったことも考えられます。
外的原因はどうすることもできないことが多いのですが、このとき経営者のメンタルが弱いと「何でこうなってしまったんだ」と、やるせない気持ちを抱えてしまいます。現状を打破するための対処方法を考えるように気持ちを切り換えられれば良いのですが、そうはいかない方もいるでしょう。そのような方は、完璧主義であることが多い傾向にあります。
「こうなるだろう」「こうあって欲しい」と思い続けているからこそ、不測の事態になったときに「何で!?」とうろたえてしまう。
何か起きたときのために、心に少しだけでも余裕を持ってみてください。「トラブルもアクシデントも、どんとこい!」とまではいかなくても、「トラブルに見舞われても、仕方ない。こればかりは分からないから」と、どこか少し諦めに似た感情でも良いのです。
「こうなるはずだったのに!」と、良い想像で埋め尽くしていた頭の中に、少しだけ「ま、仕方ないか」と考えられる余白を作ってください。それだけでも、メンタルが落ち込みすぎることを防げます。
過度に期待しすぎない
経営者は、「この人なら、活躍してくれそうだ」と期待をして従業員を会社に入れています。経歴や人柄などで判断をし、一緒に会社を盛り立ててくれることを思い描くものですが、このとき、「期待値」を高く設定しないことがベストです。
従業員は機械ではなく人ですから、常にベストコンディションで仕事ができるとは限りません。スランプに陥ったり、体調不良になったりするときもあります。
しかし、従業員に過度な期待をしていると、彼らが不調な状態になったときに、「何で結果を出せないんだ!」と憤りを感じてイライラしてしまいます。
そのため、人に対して過度な期待はせず、不調なときに遭遇したら「そんなときもあるよね。様子を見て、あまりにも不調が長引くときは相談に乗ろう」と、どっしりと構えるようにしたいものです。
また、あまりこれは無いと信じたいことですが、従業員が不祥事を起こしたときのショックを考えると、期待値を高く設定しすぎることは危険です。ただし、間違えないでいただきたいのは、「従業員を疑う」という話ではないということ。
凄く信頼していた従業員が不祥事を起こしたとき、期待していた分だけ地獄に突き落とされた気分になりますが、その落差が大きければ大きいほど、這い上がってくることが困難になります。
裏切られたことに怒りや憤りを感じることは当然ですが、経営者である以上、いつまでもショックや悲しみに打ちひしがれている時間はありません。
迷惑をかけた各所に謝罪をし、その従業員が抱えていた仕事を別の従業員に割り振るなど、業務の滞りを防がないと、会社は信頼を失ってしまいます。
会社の経営に「待った」はありません。経営者は立ち止まることができないので、予想外の事態が起きたとき、迅速に次の行動に移れるようにしなければいけません。
そこで必要なのが、先にも出てきた「心の余白」。期待していた従業員の失態にすぐ対応できるよう、「人間は過ちを犯す生き物だ」と、ほんの少しで良いので、こういった考えを入れられるような余白があると良いでしょう。
決して、「自分には人を見る目が無かったのだ」と、責めないようにしましょう。起こってしまったことは、もう仕方がありません。
落ち込むばかりではメンタルがやられてしまいますし、経営にも支障が出ますので、落ち込みすぎず、「仕方がない。どうやって現状を回復させようか?」と考えられるように、人への期待に少し余白を持ちましょう。
③日常に取り入れられそうな事柄から、少しずつ行っていく
私たちがオススメするのは、「ほんの少しの変化」を日常生活に取り入れる、ということ。「変わろう!」と意識するのではなく、少しいつもとは違ったことを生活に取り入れるのです。
たとえ小さな変化でも、脳や心への刺激は充分!
この刺激によって、心にも少しずつ変化が起こり、いつしか物事にあまり動じないメンタルを育むことができるでしょう。 「メンタルを強くしよう!」と意識はしなくて大丈夫です。「少し生活習慣を変えて、気分を変えてみようかな」というくらいの心持ちで行ってみてください。
メンタルの強さは、身体の健康の表れ
心と身体は密接に関係していて、心に元気がないときは、身体の元気も出ません。落ち込んでいるときに「ジョギングしよう!」とは、なかなかなりませんよね。
しかし、落ち込んでいるときこそ、軽い運動をすると良いのです。
心が疲弊すると、身体は小さく縮こまって、丸くなりがち。呼吸も浅くなり、ため息のような呼吸になってしまいます。しかし、胸を張って大きく深呼吸をすると、不思議と気分が良くなるのを実感できると思います。
同じラジオ体操でも、身体を小さく縮めてやるのと、胸を張って体操するのとでは、終わった後の気持ちが全然違ってきます。
どこか清々しい気持ちになって、人によっては自然と笑顔がこぼれているかもしれません。
この清々しい気持ちを定期的に味わうと、心身ともに健康になりますよ。ぜひ、軽い運動を生活の中に取り入れてみてください。
心身を健康にするためのポイントがもう1つあります。
ジャンクフードの食べ過ぎを防ぐことです。
食べ物によって、あなたの身体はできていますから、身体にあまり良くないものばかり摂取していると、体調を崩してしまいます。そうなると、心の状態も不調になり、気分は落ち込むばかり。動くことが億劫になり、さまざまなことが面倒になり、最終的に塞ぎこんでしまいます。
このようにならないためにも食生活を見直し、栄養豊富な食材をバランス良く取り入れ、身体の中から変えてみましょう。身体の調子が良くなり、心がハツラツとすれば、メンタルの状態も変わってきますよ。
「でも……」の先にもう1つ「でも……」をつけてみる
メンタルがやられているときに物事を考えようとしても、「やってみるしかない。でも、きっと無理だろう」「会議で良いアイディアが出た。でも、苦戦するかもしれない」などと、否定的な言葉や考えが出てきます。
このような場合、ぜひ試していただきたいのが「でも」の後を変えること。
「やってみるしかない。でも、無理かもしれない……『でも』できるかもしれない」「会議で良いアイディアが出た。でも、苦戦するかもしれない。『でも』、意外と良い結果になるかもしれない」。
このように、「でも」の後に、もう1つ「でも」をつけてみる。
すぐにうまくいかなくても、メンタルがやられているときの考え方のクセを少し意識して変えてみましょう。
また、何事も「無理だ」「できない」と決めつけるクセがある人は、「本当にそうなの?」と自分に問いかけてください。心の中にいる、もう1人の自分が「もしかしたら、できるかもしれない」と、考えるようになるかもしれません。
考え方のクセが少し変わるだけでも、メンタルは変わってきますよ。
④メンタルを強くしよう! と意気込まず、できることから始めてみる
何か始めようと意気込みすぎた分だけ、三日坊主になると「何でこんな自分なんだろう」と落ち込んでしまう……、これでは、元も子もありません。
「メンタルの強さ」に憧れ、メンタルを強くするためにいろいろな方法を取り入れたものの、うまくいかないことに憤りを感じて、やる気を失ってしまっては勿体ない。
ほんの少し意識をしていくだけでも、ある日「あれ? 前は落ち込んでいたような事柄だったけど、最近は落ち込まずにいることができているな」などと気がつくシーンが、きっと訪れます。
しかし、自分1人だけでそのように意識をしても、うまくいかない場面が出てくるかもしれません。そのようなときは、専門家に頼ってください。
「bizサポート」は、在籍している現役・元経営者にくわえて、心理カウンセラーが、会社に関するお悩みに対処しています。カウンセリングでの「メンタルを強くする方法」の伝授、サポートを行っていますので、1人でがんばろうとせず、一緒に理想のメンタルを手に入れましょう。
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もう少し、カウンセリングについて知りたい方は、「経営者 カウンセリングがおすすめな理由」の記事も併せてご覧ください。