問題行動が続く社員への対応|記録・改善指導・専門家相談の手順

問題行動が続く社員への対応では、「どう辞めさせるか」を先に決めず、起きた事実と会社が求める仕事を整理してください。指示の伝え方や仕事量の問題、本人の説明、支援の必要性を確かめ、改善する行動を具体的に合意します。

この記事は、記録と改善指導を進めるための一般的な情報です。懲戒や解雇の可否は個別の事情により、記事の手順を行えば有効になるものではありません。雇用終了を検討する段階の確認は、雇用終了を検討する前の確認事項に分けています。

目次

最初に、安全上の問題と通常の改善課題を分ける

暴力や脅迫、重大な安全上の懸念がある場合は、一対一で説得を続けず、社内の責任者等に応援を求めます。必要な安全の確保と、その後の事実確認・人事判断は分けて進めてください。

通常の業務上の行き違いなら、「協調性がない」「モンスター社員」といった人物評価を、いつ何が起きたかに置き換えます。性別、年齢、障害の推測や、相談・申告をしたこと自体を問題行動の理由にしないようにします。

記録は、事実・説明・対応を分けて残す

欄記録する内容
依頼いつ、誰が、どの仕事を、どの期限で伝えたか
事実実際に起きた行動と業務への影響。伝聞はその旨を記す
本人の説明本人がどう理解し、何に困っていたか
会社の対応説明・支援・仕事量や環境の調整を何にしたか
次回の合意本人の行動、会社側の支援、確認する日と方法

業務記録やメール等を扱う場合は、社内の規程と適切な情報管理に従います。対応に不要な私生活や健康情報まで集めたり、関係のない社員へ広めたりしないでください。

面談では、事実を示して本人の認識を聴く

「責任感がない」ではなく、「依頼した資料が会議時点で未提出だった」と伝えます。期限の認識、優先順位、必要な情報、他の仕事との重なりを確認しましょう。意見が食い違う場合は、その場で虚偽と決めつけず、追加で確かめる点を残します。

次は説明用の架空の面談例です。「火曜15時までと伝えた資料が、水曜朝の時点で届いていません。作業がどこで止まったか確認したいです。次回は、遅れる見込みが出た時点で連絡する方法を決めましょう」。相手の説明を聴き、指示や支援にも不足がなかったか確認します。

改善する行動と、会社側の支援を決める

「態度を改める」「皆と仲良くする」だけでは確認できません。依頼の完成形、報告の条件、期限、相談先を具体的にします。一度に多くの課題を並べず、業務への影響が大きいものから扱います。

困りごと本人と合意する行動の例会社側の支援の例
報告が遅れる遅れる見込みが分かった時点で、残作業と見込みを伝える依頼時に締切・優先順位・連絡先を示す
確認漏れが続く提出前に決めた項目を確認する完成例と確認表を用意し、最初の一件を途中確認する
担当変更で行き違う変更前に担当上司へ確認する変更の承認者と共有方法を決める

健康面や障害、配慮について本人から相談があった場合は、管理者が病名を推測せず、人事や産業保健等の適切な相談先と連携します。必要な支援は本人との対話や職場の状況に応じて検討してください。

教え直すことと、行動の改善を求めることを分ける

改善を求める前に、作業方法を知らなかったのか、指示の理解が違ったのか、合意した手順が実施されなかったのかを分けます。「何度も注意した」という回数だけでは、本人が次に何を変えればよいかが見えません。

作業の完成条件や期限が共有されていない場合は、目的・完成形・期限・相談先を伝える育成の方法から、次の指示を具体化します。本人から仕事上の困難や配慮の相談があった場合は、診断名を決めつけず、仕事の条件を見直す対応も参照し、本人の説明と会社が用意できる支援を整理してください。

そのうえで、次回の仕事のどこを見て振り返るかを決めます。これらの記録は、直ちに懲戒や雇用終了を認める根拠になるわけではありません。雇用上の判断は、個別事情を適切な専門家に確認します。

ハラスメントの申告は、業務指導と分けて扱う

指導の後にハラスメントの相談があっても、申告したことを理由に不利な評価や対応をしないでください。厚生労働省の指針に沿い、相談対応、事実関係の確認、プライバシーへの配慮などを進める必要があります。

管理者自身が申告の対象になっている場合は、自分だけで判断せず、別の責任者や相談窓口に引き継ぎます。相談内容があることと、業務上何が起きたかの確認は、混同せずに扱います。

改善が見られないときは、記録をそろえて専門家へ相談する

実施した指導、合意した行動、会社の支援、その後の事実、就業規則や契約を整理します。減給、降格、懲戒、配置変更、退職に関わる対応は、負担や法的な影響が大きいため、責任者や労務・法律の専門家と個別に検討してください。

厚生労働省は、解雇は自由にできるものではなく、理由やさまざまな事情を考慮して判断されることを説明しています。面談記録がある、一定回数注意したという事実だけで、結論は決まりません。

本人への指導と並行して、周囲の社員の負担を確かめる

問題行動への対応中に同僚の退職や負担増が起きている場合は、本人への改善指導だけで支援が完了するわけではありません。残る社員を守る初動・面談・分担表を参考に、安全、増えた仕事、相談先を別に確認してください。本人への人事上の判断を待つ間も、周囲に仕事や対応役を集中させないことが必要です。

よくある質問

何回注意すれば処分できますか?

回数だけでは判断できません。行為の内容、業務への影響、本人の説明、支援や改善の状況、契約・規程等を踏まえ、専門家に確認してください。

話が通じないと感じる場合は?

依頼と確認したい事実を短い文書にし、理解の違いを確かめます。必要なら別の管理者に同席を依頼します。相手の属性や病名で説明せず、原因確認と役割調整から見直してください。

今日の一手は、直近の一件を記録すること

人物評価を外し、依頼・事実・本人への確認事項を記載します。そのうえで、次の仕事で求める行動と会社側の支援を具体化してください。

医療法人・クリニックの役割分担や採用・定着の支援を検討する方は、採用・労務・スタッフ問題対策の案内をご確認ください。相談したい課題が決まっている場合は、お問い合わせから状況をお伝えいただけます。労務や医療の個別判断は、適切な専門家との確認が必要です。

この記事で参照した公的情報

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