徹底解説!ゆとり世代のモンスター社員の特徴とその対処法

人出不足が問題になっている昨今。社員一人ひとりが働きやすい環境を整えることを重要な項目の一つに置いている企業も少なくありません。そうした中、昔と違った環境で育ってきた世代と接する際、価値観や常識の違いに戸惑うことはありませんか?
特に、中堅~若手社員、いわゆる「ゆとり世代」の問題行動に悩んでいる経営層も少なくないはず。

今回は、そんなゆとり世代の「モンスター社員」について、その特徴や影響、対策について詳しく解説していきます。

この記事を読むことで、あなたのお悩みを解決するヒントが見つかるかもしれません。
ぜひ読み進めてみてください。

扱い方注意?!ゆとり世代のモンスター社員とは

モンスター社員

ゆとり世代とは1981年~1996年頃に日本で生まれ、ゆとり教育を受けた世代のことで、20代後半~40代と、若手から中堅社員にあたります。

受けてきた教育など、周りの環境がめまぐるしく変わった世代です。そういった環境で育ったことから、働き方に対する考え方が経営層とギャップがあることもしばしば。

もちろん、残業時間の削減や多様な働き方に対する理解など、仕事に対する常識は常に変化し、時代に対応することは経営層にとってマストです。しかしながら、ゆとり世代の中でも「モンスター社員」と呼ばれる、問題行動の目立つ社員が存在します。

「モンスター社員」とは?

モンスター社員とは、周りの意見を聞かず自分の考えを押し通したり、自身のタスクを放棄したりと職場で問題行動を繰り返し、周囲に悪影響を及ぼす社員のことを指します。

「モンスター社員」の由来は、名前の通りその問題行動がモンスターのように手に負えないことからきています。

その問題行動は主な特徴が3つあり、①協調性の欠如、②無責任な態度、③過度な自己主張にわけられます。

そんなモンスター社員は、周りの社員の士気を低下させ、チームのパフォーマンスを低下させるなど、企業へ多大な悪影響を及ぼします。

「モンスター社員」について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になさってください。
急増中?早期発見が重要な「モンスター社員とは」を徹底解説

要チェック!ゆとり世代のモンスター社員の特徴とよくある発言

ゆとり世代は、従来の「詰め込み型教育」から「ゆとりのある学習」へと転換が行われ、個性を大切にする教育へと一変しました。
そんなゆとり世代の特徴を6つお伝えします。

ゆとりの特徴①ワークライフバランスを重視する
「昭和の仕事一筋の父」のような、朝から晩まで働くスタイルではなく、趣味や興味のあること、家族と過ごすプライベートな時間を充実させることを大切にし、仕事と私生活とのバランスを重視しています。

ゆとりの特徴②効率重視の傾向がある
無駄な作業をできる限り削減し、効率重視の傾向にあります。

ゆとりの特徴③多様性を尊重する
一人ひとりの個性を尊重する時代に生まれたゆとり世代は、自分自身の属性とは異なる人や、マイノリティといった多様性を尊重する傾向があります。

ゆとりの特徴④ストレス耐性が低い
競争社会というよりも、個性を大切にしてきた教育・環境で育っているため、叱られる機会が少なくなりました。そのため、注意を受けた際にストレスを感じてしまい、自分自身で対処できないことも。

ゆとりの特徴⑤協調性、自主性が欠如している
個性を尊重する環境から、自分の価値観を大切にしてきた世代です。その一方で、周囲に合わせるというよりも自分を優先することも。また、仕事を最低限に留めるケースもあり、仕事一筋で働いてきた世代から見ると、少々自主性が欠如しているように見えるかもしれません。

ゆとりの特徴⑥協調性がない
競争よりも自分の個性や能力に合わせるという環境であったため、仕事で成果を出して、上を目指すという上昇志向はあまりありません。

ゆとり世代特有のモンスター社員の影響は…?

これまでは、ゆとり世代の特徴について解説してきました。それでは、ゆとり世代のモンスター社員は周囲にどのような影響を与えるでしょうか?

例えば…
・ストレス耐性がないことから、取るに足らない注意だとしても、すぐふてくされてやる気をなくしてしまう。

・効率重視と協調性の欠如から、若手社員がやるべき仕事を「やる必要ありますか?」「それ、自分の仕事ですか?」などと意見し、業務がスムーズに回らなくなる。

・自主性が欠如していることから、上司からの指示がないと自分から動かない受け身体質のため、マネジメントする側の負荷が高まる。

このように、育ってきた環境の違いから、ゆとり世代特有の問題行動が見られます。

必見!ゆとり世代のモンスター社員への対応策3選

経営者 疲れた

若手~中堅社員に該当するゆとり世代。その中でも問題行動が目立つモンスター社員がいるが、どう対応したらよいか分からない…とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

そこで、ゆとり世代の特徴に合わせ、対応策を3つご紹介します。
ぜひ参考になさってください。

対応その①具体的な目標設定と指示を心がけよう

ゆとり世代は、自主性に欠けているところがあります。あいまいな指示を出してしまうと何をすればよいのかが分からず業務が進まなくなったり、具体的な目標設定がないと「自分が何のためにはたらいているか分からない」といった考えに至る可能性があります。

そこで、業務の期限を明確にする、業務をどの程度のクオリティまで仕上げるか明確に指示するなど、モンスター社員が動きやすい体制作りを心がけましょう。

対応その②定期的なフィードバックと評価

ゆとり世代に限らず、定期的なフィードバックと評価は大切です。自分がどの程度貢献できており、何が評価されているか(あるいは何が足りていないか)を知る重要な機会になります。

また、フィードバックをするにあたって、「叱るよりもほめる」を意識することがポイントです。ストレス耐性がなく、繊細なゆとり世代は、厳しく注意するよりも貢献できた部分をほめてみましょう。

なお、もちろん仕事ですから、ほめるだけでなく足りていない部分を共有することも重要です。その際は、仕事がうまくできなかった原因を共に考え、改善策を考えるような指導を心がけると良いでしょう。

対応その③カウンセリングやコーチングの導入

ゆとり世代にとって、「転職」という選択肢が珍しくありません。職場環境や業務内容に不満があるとすぐに会社を辞めて転職してしまうことも。
さらには、不満がたまっているがゆえに問題行動に発展してしまっているケースもしばしば。

そこで、管理職が把握しきれない社員の本音を聞き出せるよう、カウンセリングを行うことがおすすめです。業務改善につながるだけでなく、社員全体の満足度アップにもつながります。

また、自主性に欠けているゆとり世代の能力をのばすため、コーチングをすることで、自分自身で考える力を伸ばせる場合があります。

対応策が尽きた…ゆとり世代のモンスター社員へとるべき最終手段

ゆとりモンスター社員

モンスター社員の問題行動を解決するためにやるべきことはやったが、一向にうまくいかないと悩んでいるあなた。

モンスター社員を放置してしまうと、職場環境の悪化を引き起こすだけでなく、人材流出など企業に多大な影響を与えることも。

そこで、モンスター社員へとるべき“最終手段”について伝授します。

【処分を検討している場合】社員の行動の記録をする

処分を検討しているモンスター社員の日頃の問題行動の事実関係と、その事実の根拠となる証拠について調査をしましょう。

また、上司や同僚など、関係者への聞き取り調査を行うだけでなく、PCの記録、問題行動改善のための指導記録をとっておき、万が一に備えておきましょう。

このように記録を取っておくことで、モンスター社員への処分が適切であったといえる証拠になります。

【問題行動が改善されない場合】解雇などの処分を検討しよう

問題行動を改善するためのフィードバックやサポートを行っても、モンスター社員の態度が変わらない場合があります。その際は、最終手段として、公式な警告や最終的な手段である解雇の手続きを検討しましょう。

※解雇の手続きを行う前に知っておきたい法的な手続きとリスク管理

最終手段である解雇の手続きを行う際には、法的な手続きやリスク管理も考慮する必要があります。HR部門や法務部門と連携し、適切な手続きを踏むことが重要です。

まず、「公的な警告」として、問題行動について注意する文書を作成し、モンスター社員へ提示します。
口頭で行ってきたような指導に加え、就業規則のどの部分に反しているかなどを具体的に書くと良いでしょう。

つぎに、すぐ解雇の手続きに入るのではなく、戒告や譴責などの懲戒処分を行うようにしましょう。いきなり解雇をすることは難しいため、慎重にステップを踏むことがポイントです。

そして、上記のステップを踏んでなお問題行動が改善されない場合には、退職勧奨によってモンスター社員の自主的な退職を促してみましょう。

ここで態度の変容がみられなかったり、自主退職をしない場合には、いよいよ解雇です。
なお、何度も繰り返しますが、モンスター社員への指導記録などを書面で残しておくことで、解雇処分が適切であったことの証拠になりますので、必ず頭に入れておきましょう。

また、モンスター社員をやめさせる方法について気になっている方は、下記の記事も参考にしてみてください。
[モンスター社員を辞めさせるマニュアル]経営者がやるべき具体的なステップ3選

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ゆとり世代のモンスター社員と付き合っていくために、まずは特徴をおさえることから始めよう!

中堅~若手社員という、会社のこれからを担う存在であるゆとり世代。多様性の尊重など新しい時代に適した考え方を持っている一方、ストレス耐性がなかったり、自主性に欠けていたりと、仕事一筋でやってきた経営陣にとってはなかなか理解することがむずかしい存在ですよね。

ですが、理解できないと突き放してしまうのではなく、特徴をおさえて適切に付き合っていけば活躍してくれる人材に成長してくれることもあります。
そして、社員たちがいきいきと働ける環境はどうやって作ることができるかを考えるきっかけとしてみてください。

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