経営者の悩みは2つに分けて、1つずつ、1歩ずつ解決していく

経営者 悩み

「悩み」というものは、人の成長に欠かせない要素の1つです。悩みを解決するために、良い方法を考え抜いた先に成長があるのです。悩みに押し潰されることなく、いかにして乗り越えるか……これが人間としての成長を大きく左右することになるといっても過言ではないでしょう。

そんな悩みのなかで、特に頭を悩ませるのは「他人に関係する悩み」ではないでしょうか。「自分」だけに関わる悩みであれば、もし解決できなくても、責任感を覚えることはあまりないはず。「これ以上は無理だ。仕方がない」と諦めても、とがめる人は誰もいないでしょう。

しかし、他人に関わる悩みを、全然解決できずに放置していた場合はどうでしょうか。「自分は無責任な人間だな」と、感じるのではないでしょうか。それが会社の経営者ともなれば、悩みは自分1人だけのものではないので、苦しいと思うこともあるでしょう。

行動に移すまでが億劫になってしまう悩み、目を背けてしまいたくなる悩みなど、いろいろあると思いますが、ずっと経営者が悩みを放置したままにしておくわけにはいきません。

放置したがゆえに、後々大問題になったのでは大変です。また、頭の中にずっと悩みがあると、ストレスを常に抱えている状態になってしまうので、心が疲弊してしまいます。

そのような状態にならないために行ってほしい、悩みの対処法をご紹介します。

悩みを書き出して、仕分けをする                       

「悩みや考え、今の感情をノートに書き出す」ということを、一度は聞いたことがあると思います。

「ノートに書き出すことは、本当に悩み解消に有効なの?」と思われる経営者の方がいらっしゃるかもしれませんが、ぜひ実際に書き出して体験してみてください。

ノートへの書き出しは、心理学の観点からも有効な方法です。

 悩みをノートに書き出す2つのメリットをご紹介します。

頭の中を整理整頓できる

ノートに書き出すことの最大のメリットは、頭の中を整理整頓できる点にあります。今抱いている感情を書き出すことは、心理的にも有効であり、カウンセリングを行う際に感情を整理してもらうために取り入れる場合もあります。

実際に、皆さんも、考えていることを書き出す有効さを経験済みではないでしょうか。

「ToDoリスト」です。

あれもやらなきゃいけない、これもやらなきゃいけない! と頭の中だけで考えていても、混乱するだけ。1つひとつ、やるべきことを「ToDoリスト」に書いていけば、頭の中が整理されます。

悩みを書き出すというのは、「ToDoリスト」を作るのと同じこと。悩みも紙に書き出せば、頭も心も整理されます。整理されれば、「次にどのような行動を取れば良いか?」ということを冷静に考えられるようになるはずです。

頭の中で悩んでいるだけでは、「Aの方法が良いだろうか? Bの方法が良いだろうか?」と、考えがまとまらなかった人も、悩みを書き出せば、悩みを客観的に見ることができます。その結果、解決への糸口を見つけ出すことができるのです。

ここで、悩みを書き出すポイントを1つ。たとえば、「売り上げ不振からの脱却」という経営者特有の悩みであれば、それを書いて「おしまい」ではなく、その周りに単語でも良いので「営業マニュアルの見直し」「営業活動の強化」「マーケティングのやり直し」など、思いつく言葉をどんどん書いていきましょう。そうすることで、連想ゲームのように「あれもある!」「これもある!」となり、解決策に自然とたどり着く場合があります。

頭の中では堂々巡りだった悩みを整理すると、思いがけない解決策に行きつく場合もあるので、ぜひ試してみてください。

悩みを2種類に分けることで、解決へのステップに進みやすくなる

「悩み」には2種類あります。

1つは、「先が見える悩み」。対処すれば解決する悩みのことです。

もう1つは、「長期的に関わっていく悩み」。すぐに対処するのが難しく、長期的に関わっていくことを念頭にいれなければいけない悩みのことです。

「どこから手をつけたら良いか分からない!!」となっている経営者の方は、悩みを仕分けする必要があります。

今ある悩みを2つに分けるだけでも、憂鬱さは軽減するはずです。

悩みを2つに分けるポイントは、こちら。

「事務的にできたり、感情をあまり入れ込んだりせずに、解決できそうな悩みか否か」。

料理に例えてみます。

感情をあまり入れ込まないというのは、たとえば「使い切らないといけない野菜がある」という状況を解決させるために作る料理のこと。

購入してから日が経った野菜や、賞味期限間近の肉を使うということだけを考えて料理をするのであれば、感情はほとんど関与してきません。

では一方で、大切な人に作る料理だったらどうでしょうか。

「あの人は、何を作ったら喜んでくれるだろうか?」

「好物は分かるけれど、他に何が好きだろうか?」

と、悩みに感情が入ってきます。

これがサプライズであれば、作ってあげる人にさりげなく聞いたり、秘密のリサーチをしなければいけません。楽しい悩みではあると思いますが、感情が入っている分、先ほどのように「食材を使わなければいけない」という状況に対する解決方法で料理をするのとでは心の疲労度は変わってきます。

今ある悩みを書き出した後は、ぜひ、それが「事務的にできるものか否か」という観点で仕分けをしてみてください。

仕分けをした後の対処法は、それぞれの項目で詳しく説明していますので、ぜひお読みください。

先が見える悩みの解決で、勢いをつける                    

たとえば「やるぞ!」と、気合いを入れて部屋の掃除を始めた時を想像してください。開始早々、捨てられなかったり、扱いに困ったりする物の片付けに手をつけたとします。「捨てられない……でも、どこに置くべきか」と考えるばかりで、なかなか片付けが進まないと、段々やる気がなくなってきませんか?

そうならないためには、「調子に乗ってきた!」となるよう、瞬時に捨てられると分かるゴミから手をつけるのが秘訣。散らかっていた空間が少しでも片付いたことが目で判断できれば、気分が乗ってきますよね。

同様に、経営者も、比較的解決しやすい悩みから取りかかると良いのです。ずっと「全然悩みが解決しない……」と憂鬱な気分でいるよりも、解決への難易度が低いものから手をつけてみましょう。

「本当に解決は難しい?」と問いかけてみる

事務的に解決できそうな悩み、難易度の低い悩みはどのようにして見極めれば良いのでしょうか? 一見難しそうに見える悩みの中にも、難易度の低い悩みがあるかもしれませんので、その見つけ方をお伝えします。

先に、「悩みや感情をノートに書き出すという行為は、カウンセリングでも行っている」とお伝えしました。

人間は、自分のダメなところや、できていない事柄など、マイナスな面ばかり見てしまう傾向にある生き物です。そうなると、自己肯定感が低く、「自分は何てダメな人間なのだろう」と思ってしまいがち。ここで今の気持ちを書き出し、自分に問いかけるのです。

「本当にそうなの?」と。

本当に自分はダメな人間なのか? ダメだと思いながらも、できていることはないか?

真剣に自分と向き合えば、できている事柄が何か見つかるはずです。

「私は掃除全般が苦手だけど、窓拭きだけはきれいにできている」というように、ダメだと思えるようなところから自分を認めてあげられるポイントを探すのです。どんなに小さなことでも良い、人はそれを「普通」と言っても、できている事柄があれば自信を持って良いのです。

この方法と同様に、経営者も悩みを書き出したら問いかけてみてください。

「凄く難しく考えているけれど、本当に難題な悩みなの?」 もしかしたら、悩みを細分化すると、1つひとつは取りかかるのに難しいことではないかもしれませんよ。

1つでも、2つでも、1歩ずつ解決すれば心に希望の光が灯る

たとえ絶望を感じるような悩みばかりであっても、たった1つでも悩みを解決できたら心に光が宿ります。

今、あなたの周りにはたくさんの黒い「悩み」という物体があり、足の踏み場がない状態で、辺りも真っ暗、悩みのトンネルの中で立ちすくんでいるとします。

しかし、足元にある悩みを1つ、そして1つ、また1つと解決し、黒い「悩み」を1つずつなくしていけば、道ができます。1本の細い道であっても、道ができれば希望という光の方に進んでいくことができます。今いる暗いトンネルの中から脱出をすることができるのです。

光が見えたら、勢いをつけて1つひとつ、小さくても良い、1歩ずつ悩みを解決して、重苦しい心を少しずつ軽くしてあげましょう。

長期的に関わっていく悩み                         

続いては、長期的に関わっていく悩みについてです。

さて、長期的に関わっていく悩みとは、一体どのような悩みでしょうか?

すぐに結果が出ない事柄への悩みはもちろんですが、ズバリ、「人の心」に関わる悩みは、解決までに時間がかかると考えた方が良く、さらに、慎重になった方が良いでしょう。

人は、一人ひとり、さまざまな思いや考えを持っています。そのため、経営者であるあなたの言動に対してどのように思うかは、十人十色。

経営者の悩みを解決してくれるキーパーソンへの接し方によっては、悩みが解決するか、増幅するかが変わってきます。あなたの言動にかかっていると言っても、過言ではありません。

「長期的に関わるべき悩み」を「先が見える悩み」へステップアップさせる

「長期的に関わるべき悩み」、つまり、すぐに解決できない悩みに対して焦っても意味がありません。しかし、今は「長期的に関わるべき悩み」であっても、社員の協力を得られれば、「先が見える悩み」に変わることがあります。

たとえば、売り上げをアップさせたいとき。この悩みを解決させるためには、社員たちの協力体制が整っていなければいけません。

しかし、早く結果を出したいために、営業スタッフに「もっと営業活動に精を入れろ!」と、当たり散らしてしまえば、営業スタッフは萎縮してしまいます。こうなると社員のモチベーションは下がる一方。営業成績は上がるはずがありません。これでは、売り上げは一向に上がらず、本末転倒になってしまいます。

激励し、社員のモチベーションを上げてこそ、腕のある経営者。悩みを解決してくれるキーパーソンである社員に、上手に協力をあおぐことこそ、悩みの解決への近道です。

慎重になるべき事柄に対しては、対応も慎重に

たとえば、社員同士の人間関係に問題がある場合。

両者ともに考えや感情がありますから、片方だけを責めるのは御法度ですし、経営者が人間関係に首を突っ込みすぎるのはあまり得策とは言えません。しかし、社内の人間関係が良好でなければ離職に繋がったり、業務に支障が出たりと悪いことばかり。早急に手を打たなければいけません。

このような場合、部署や役職、年齢も関係ない社内イベントを行うのがオススメ。なかでも、自分たちで食材の調達から調理までを行うバーベキュー大会や、食事会が良いでしょう。

「あの人は、思った以上に手際が良いんだな」と意外な一面を見られることも。また、段取りなどを自分たちで行えば結束力も強まり、良いことづくめ。仕事とは別の事柄でコミュニケーションを取れば、今まで知らなかった能力の発見にも繋がります。

互いに新しい一面を見つけることができ、さらには自然と会話が生まれる社内イベントは、心の距離を縮めるのにぴったりですよ。

ただし、いろいろと試行錯誤しても社内の人間関係に悩みを抱く場合は、心理カウンセラーや専門家の力を借りるなども視野に入れてください。

まとめ                                  

自分の力だけでは解決が困難だと思ったら、思い切って専門家に相談すると良いでしょう。できない事柄に関して、他者の力を借りることは精神的な苦痛から逃れることができますし、解決までダラダラと時間を使うことなく、効率的に悩みを解決することができます。

また、他者の力を借りることで思いもよらない意見が出てきて、あなたの中の選択肢が増えたり、経験値があがったりするかもしれません。

ただ、「悩みを他者に打ち明ける」ということに躊躇する経営者もいることと思います。しかし、経営者の悩みは多岐にわたりますから、それを全部一人で抱え込む必要はないのです。

「bizサポート」は、経営者として活躍した人や、現役の経営者が在籍しているので、あなたの悩みに寄り添うことができます。また、心理カウンセラーが在籍しているので、精神的な面でのフォローも可能。従業員との関係性や、人の「感情」が多く関わってくる難しい場面でアドバイスをすることができます。

下記のフォームから、お気軽に資料請求をしていただけますと幸いです。

資料ダウンロード特典で、初回無料の相談がついていますので、ぜひ活用してみてください。

悩みに感情が関わってくると、なかなか解決への1歩を踏み出せないかもしれませんが、「経営者 カウンセリングがおすすめな理由」の記事にも「経営者のお悩みを解決する方法3選」が記載されていますので、ぜひご覧ください。

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