[絶対に知っておきたい]モンスター社員はアスペルガーが多いのはホント?

日々問題行動を起こし、職場環境を悪化させるばかりか重大な経営リスクになる可能性があるモンスター社員。そんなモンスター社員の中に、コミュニケーションが不得意であったり、こだわりが強すぎるといった特性をもつ「アスペルガー症候群」の人がいます。

会社で問題視される行動が、この「アスペルガー症候群」の特性に由来している場合も少なくありません。今、「会社では困った社員」という扱いを受けている社員が、対応次第で活躍してくれるケースもあるんです。

今回は、「アスペルガー症候群」がゆえになかなか対応するのが難しい社員に対し、どうすればよいかを詳しく解説していきます。

この記事を読むことで、あなたのお悩みを解決するヒントにつながるかもしれません。
ぜひ読み進めてみてください。

目次

「アスペルガー症候群」とは?

モンスター社員

アスペルガー症候群は発達障害の一つで、「コミュニケーション能力」や「社会性」などに障害があり、対人関係が苦手という特徴があります。

一見するとことばの遅れや勉強面で問題がみられないために気づかれにくい発達障害でもあり、「ちょっと変わった人だよね」などと思われがちです。

そんなアスペルガー症候群の方に対応するには、詳しく特徴を知ることがまずは大切です。

「アスペルガー症候群」の人はそもそも珍しくない!

アスペルガー症候群は人口の0.1~1%程度とされています。
およそ100人に1人程度はアスペルガー症候群の症状があるため、中規模程度以上であれば何人かは当てはまる可能性があります。
ただ、珍しくないとは言っても、実際に組織のマネージメントとして困っている会社さんが多いのも実情です。
まずは、アスペルガー=問題行動をひこ起こす!と決めてしまう前に、アスペルガーの特徴について触れていきましょう。

「アスペルガー症候群」の特徴は大きく分けて3つ

①社会性に関する特性
相手の気持ちを汲み取る、その場の空気を読むといったことが難しいなど、社会性に特性があります。

また、自分の感情を表に出したり、自分自身の言動が他人に与える影響について、想像力を働かせるのが難しく、相手を不快にさせたり、その場の雰囲気を悪くすることも。

②コミュニケーションに関する特性
相手の意図していることや感じていることを理解したり、気づくのが難しいなど、コミュニケーションについての特性があります。また自分が言いたいことや感じていることを相手に分かるように伝える、表現することを困難としています。

例としては、文脈や間接的な表現の理解が苦手で、相手の発言の裏が読めない、ユーモアやお世辞、皮肉や比喩を理解することが難しいなどがあります。

③想像力の質に関する特性
予想外の出来事を想定したり、対応することが難しいといった特性を持っています。自分の興味のあることや特定のパターンの行動に強いこだわりがあります。

そのため、新しい環境に順応したり、予想外の事態に対して臨機応変に対処することができないために不安に駆られたり、時にはパニックになることも。

実際に、厚生労働省でも、アスペルガーについて下記の定義がされています。

● コミュニケーションの障害
● 対人関係・社会性の障害
● パターン化した行動、興味・関心のかたより
● 不器用(言語発達に比べて)

参考:発達障害の理解 

もっと知ろう!3つの特性があることで周囲に与える影響3つ

アスペルガー症候群の方は主に3つの特性があることが分かっていただけたかと思いますが、具体的には周囲にどのような影響を与えるのでしょうか?このアスペルガーの特性を知らないと、問題行動ばかり引き起こしてしまう!と周りの人が頭を抱えてしまうことがとても多いです。

一緒に働いていく仲間として、影響を十分に理解していきましょう。

影響①集団行動が苦手
空気を読むのが苦手なアスペルガー症候群の特徴から、チーム内で孤立してしまったり、自分のこだわりや正しいと思ったことを周囲の理解を得ずに進めてしまったりと、業務を進めていく中で困難が生じる場合があります。

影響②コミュニケーションを取ることが難しい・かみ合わない
相手の意図をくみ取ることがむずかしい特徴から、業務指示の認識を取り違えたり、相手に伝えることに困難が生じる特徴から業務進捗の報告や相談が分かりにくいなど、コミュニケーションを取ることがむずかしい場合があります。

また、共感の姿勢を見せることがむずかしく、会話をする中でぎくしゃくすることもあります。

影響③こだわりが強く、自己流で進めてしまう
特性のパターンで進めることが落ち着くなど、強いこだわりを持つ特徴から、業務を柔軟にこなしたり、気にしなくとも良いところが気になるなど、業務効率に影響を及ぼします。

そのため、なんとなく一緒に働きにくいという印象になってしまいます。

注意:「アスペルガー症候群」から「自閉スペクトラム症」へ
※これまで、自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群などのいろいろな名称で呼ばれていましたが、2013年のアメリカ精神医学会の診断基準DSM-5の発表以降、自閉スペクトラム症としてまとめて表現されるようになりましたが、この記事では、「アスペルガー症候群」として取り扱っています。

決めつけるのは要注意!モンスター社員=アスペルガー症候群とは限らない

経営者やめたい

一口にモンスター社員といっても、さまざまなタイプがおり、必ずしもアスペルガー症候群とは限りません。実は、リーダーだからこそ知っておいていただきたい、大切なポイントがあります。そこで、アスペルガー症候群と間違われそうなモンスター社員のパターンを3つご紹介します。

●自分がいないと会社が回らないと思う傲慢なタイプ

経営者としては、社員一人ひとりが大切な存在ですし、やりがいや誇りをもって働いてほしいと願うものです。

しかし、「自分がいないと会社は大変なことになる」と、自分自身の能力を過大評価し、チームの功績を自分だけの手柄だと考えているタイプがいます。
そこから、チームメンバーのことを見下した言動をとるなど、チーム全体の雰囲気に悪影響を及ぼします。

コミュニケーションを取ることがむずかしいことから、アスペルガー症候群と勘違いされる可能性があります。

●自分自身の承認欲求が強いタイプ

社会にみとめられたいと感じている人は少なくないはずです。しかし、この承認欲求が強すぎるタイプは、「どんな手を使ってでも自分が優位に立ちたい」「自分かわいさに、他人に対して攻撃的になってしまう」など、問題行動を起こすことがあります。

チームの和を乱してしまうがために、コミュニケーションや集団行動に難があるアスペルガー症候群ではないかと思われることがあります。

●何かのスキルが突出した高IQタイプ

「アスペルガー症候群」と聞くと、得意不得意の分野に偏りがあり、何かのスキルに突出した高いIQを持っているというイメージを持っている方も多いはず。

ですが、アスペルガー症候群はあくまで「社会性」「コミュニケーション」「想像力の質」について特性がある人を指すため、必ずしも能力に凹凸があるからと言ってアスペルガー症候群とは限りません。

このように、アスペルガー症候群かも?と思われがちでもそうだと当てはまらないタイプがいます。
モンスター社員の弱点を知って、適切に対処したいと思った方は、こちらの記事も参考になさってください。
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もしも本当にアスペルガー症候群だったら?その場合に踏むべきステップ2つ

経営者 疲れた

これまでアスペルガー症候群の特徴や、周りへの影響について解説してきました。
「もしかしてあの人、アスペルガー症候群かも?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それでは、もしモンスター社員がアスペルガー症候群の疑いがあった場合は、どうすればよいのか気になっている方も多いはず。

そんな状況で知っておきたい2つのステップについて解説していきます。

ステップ1)「個人の問題」にせず、「組織の健康管理」として専門家の介入を!

アスペルガー症候群の特性を持つ社員に対し、上司が直接「病院に行って診断を受けてこい」と促すのは、非常にリスクが高い行為です。これは「個人攻撃」と受け取られ、労働トラブルに発展するケースが後を絶ちません。

ここで有効なのが、社外の「医療連携を含む健康・ウェルネスチーム」の存在です。

特定の社員を対象にするのではなく、「全社的な生産性向上のために、外部専門家による健康面談の機会を設ける」という建付けであれば、角を立てずに接触の機会を作ることができます。

この第三者の専門チームが関わることで、以下のような客観的なアプローチが可能になります。

  • 医学的見地からの状況把握:本人の行動が「性格」によるものなのか、「特性」によるものなのか、あるいは「メンタル不調」によるものなのかを、冷静な医学的見地から見極める。
  • 環境調整の根拠提示:「曖昧な指示が理解できない」「聴覚過敏で集中が困難」といった特性を客観的に把握し、本人がポテンシャルを発揮できる環境(明確な指示系統や業務環境の調整など)を専門的根拠に基づいて会社側に提言する。

診断を強要するのではなく、「専門家が間に入ることで、本人のパフォーマンス向上のための環境を整えるサポートをする」というスタンスが、リスクを回避し、解決へと繋がる第一歩となります。

ステップ2)医師とコーチによる「二刀流の伴走」で、才能を再配置する

特性を持つ社員への対応で最も難しいのは、「業務上の課題解決」と「心理的なサポート」を、多忙な上司が一人で担うことです。この課題を解決するためには、「医師」と「心理・対話のプロ(コーチ/カウンセラー)」の両輪を持った外部チームとの連携が理想的です。

▼ 専門家チームが組織の課題解決に貢献するメカニズム

1.会社と社員の「衝突」を緩衝する中立的な存在
上司からの指導や注意は、当事者意識が強いため「非難」と受け取られがちですが、利害関係のない第三者からの客観的なフィードバックであれば、社員が受け入れる確率が格段に上がります。

2.「コーチング」により本音と潜在能力を引き出す
熟練したコーチは、傾聴力や心理的アプローチを通じて、社員が上司には言えない不安や、自分自身のこだわりを安全な場で語れる環境を提供します。これにより、抱え込んでいたストレスが解消され、前向きな姿勢を取り戻す手助けをします。

3.医学的な視点に基づいた「戦略的な人材配置」
「特性上、対人折衝は不向きだが、データ処理能力は非常に高い」など、専門的な評価に基づいた配置転換は、トラブル回避だけでなく、人材の潜在能力を経営に活かすための戦略的な判断となります。

実は、弊社でも提供しているサービスではありますが、「第三者の機関」が介在することで、会社に対しての問題を回避することができます。

例えば、上司に病院や専門機関での受診を勧められると、会社に問題定義をする社員も少なくはありません。
しかし、第三者の専門家の立場として提言をすることができると、素直に聞いてもらえる確率がグッと上がります。

合わせて、専門家から適材適所の判断をしてもらうこともひとつの方法です。
例えば、問題行動ばかり引き起こすアスペルガーの方を、単純業務(DMの送信、何かの調査、緻密性を必要とする部署)に移動をすることで、能力が発揮されて、作業効率や生産性がアップされるケースも少なくありません。


特に、人手不足が深刻化している世の中で、今いる人材を有効活用することも会社にとっては、必要不可欠になりつつあります。
アスペルガーの傾向で、問題行動ばかり引き起こす従業員がいる場合、まずは専門家に相談をし、しっかりと対策を練った後に今後の対応を実行していくことをおすすめしています。

その一方で、明らかにどうしようもないケースというものも存在することがあります。
そんな時におすすめなのが、下記の記事です。

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人材は活かし方のコツがある!アスペルガー症候群は、付きあい方次第で大活躍するケースも!

モンスター社員

ここまでは、アスペルガー症候群に対してまず対応すべきポイントとして、医師や専門家にサポートをしてもらうとお伝えしてきました。

このようなサポートに加え、企業側がより社員に寄り添って働きかけることで、大活躍するケースもあるんです。

そんなアスペルガー症候群の社員が向いている職種や業務について、解説していきます。

アスペルガー症候群の社員が向いている業務内容3選

アスペルガー症候群の特性から、

●作業工程の全てまたはほとんどを一人で行う仕事
●論理的分析と事実に関する強い記憶力を生かすことができる仕事
●強い集中力を生かすことができる単純作業の繰り返しを行う仕事

の3ポイントを意識して業務を割り振ると、力を発揮してくれるようになります。
得意・不得意を把握することで、最適に業務を分担することにつながるんです。

経験にもよりますが、「プログラマー」や「デザイナー」、管理やチェックをおこなう業務が向いていると言えます。
また、研究職についても適性があるケースが多いです。

注意したいポイントとしては、全てのアスペルガー症候群の人が、上記のような業務に向いているというわけではない、ということです。

アスペルガー症候群の人が持つ「こだわり」や「集中力」を活かしてもらうには、その人自身が「興味が持てる」分野であることが重要なんです。

アスペルガー症候群の人が興味を持てる分野で、かつ上記のような特徴を持つ作業を行う仕事であれば、特性をプラスに作用させることができるでしょう。

アスペルガー症候群の社員が向いていない業務とは?配置転換が必要な場合も

「社会性」や「コミュニケーション」、「想像力の質」に関して特性のあるアスペルガー症候群ですが、この特性がマイナスに働く業務内容があることも知っておくと、より最適な人員配置を意識することができます。

柔軟な対応が必要であったり、対人スキルが求められる業務だと、なかなか対応しきれなかったり、コミュニケーションに支障をきたしてしまったりと、周囲に影響を与えてしまうだけでなく、社員本人も働きがいを感じられなくなるといった事態に陥ってしまいます。

上記のような業務内容の割合が多い部署にいて、問題が多いようであれば配置転換を検討することをお勧めします。

アスペルガー症候群は活かし方次第!その特性の“長所”に目を向けよう!

対人関係やコミュニケーションに困難が生じがちなアスペルガー症候群の社員。「一緒に働きにくいな」と周囲が思っていたり、社員自身が「うまくいかないな…」と悩んでいるケースがしばしばあります。

まずは、その社員自身や会社がアスペルガー症候群の特性を理解し、さらに活かし方や付き合い方を模索していくことがとても重要です。

今は「少し困った社員」であっても、根気強く付き合っていくことで、会社になくてはならないキーパーソンになってくれるかもしれません。
その特性を生かし切れるよう、まずは長所に目を向けてみませんか?

人手不足の時代だからこそ、「排除」ではなく「活用」という視点

一見「モンスター社員」に見えるその行動は、マネジメント手法を変えるだけで、類稀な集中力や緻密さを発揮する「スペシャリスト」へと変貌する可能性があります。

今、優秀な経営者が求めているのは、個人の健康だけでなく、組織のメンタルヘルスリスクを低減し、潜在的な人材を戦力化するための、外部のプロフェッショナルなパートナーです。

  • 医学的・心理的な専門性に基づいたリスクヘッジ。
  • 経営者の時間と精神的リソースを消耗させない問題解決。

この両方を満たす専門チームを「組織のセカンドオピニオン」として活用することが、変化の時代を勝ち抜くための新しい経営戦略です。まずは、問題を抱え込まず、専門的な知見を持つパートナーに相談し、戦略的な対応策を練ることから始めてみてはいかがでしょうか。

プロが教える従業員の問題行動への対処法|成功企業の実践ノウハウ集

従業員問題行動

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