これまでに、ブランドの戦略についてお伝えをしました。ブランドコア、ブランドパーソナリティー、ブランドポジションが決まれば、あとは世の中に発信をしていくだけです。
しかし、発信をするだけで多くの人に自社商品やサービスを購入してもらえるのかというと、そうではありません。ここも、「どのように発信をするのか?」を考えることでより効果的なブランドの発信をすることができるようになります。この文章を最後まで読んでいただけると購入に繋がりやすいブランドの発信方法が分かるのでぜひ読んでみてください。
消費者とのタッチポイントを決めよう
ブランド発信をするときは、ターゲットやセグメントに合わせたタッチポイントが重要になってきます。セグメントとターゲティングの記事でも紹介をしていますが、自社のブランドを好んでくれそうな消費者は何を利用しているのかを考えていきます。
<よく利用されるタッチポイント>
・WEBサイト検索
・SNS
・商品カタログ
・紹介
・店頭
・CM
・雑誌
現在、弊社では高級飲食店の開業したいクライアントに対してコンサルを行なっています。この高級飲食店のターゲットは、40代〜50代の夫婦や経営者同士の仲間飲みです。ブランド発信をする際は、先のターゲットが日頃からどんなものに触れているのか?に焦点を当てて考えます。
そうすると、Facebook、仲間同士やお客様からの紹介、Googleマイビジネス、食べログ、会社へのDMなどが考えられます。つまりタッチポイントは、40代以上の利用者数が多いfacebookとGoogleマイビジネスの戦略、そして食べログへの登録をすることといえます。
ブランド発信をする前に決めておきたい2つのポイント
ブランド発信をする時に、一貫性のある内容がとても大切だと先ほどお伝えいたしました。このブランド発信をするにあたり主に2つ気をつけたいことがあります。
①一度決めたら変えることが難しいブランド発信
②後からでも微調整できるブランド発信
この2つをブランド発信をする最初に決めておくことによって、企業のブランドがより育ちやすくなります。
※飲食店では、売れ行きが悪いお店の看板だけを変えて実際の運営店舗は同じということはよくある話ですが、一旦ここではおいておきます。
①一度決めたら変えることが難しいブランド発信
一度決めたら変えることが難しいブランド発信=センセリー・エクスプレッション&ボイスと言います。名前は長いので覚える必要はないと思いますので、どのような物がこの分類に入るのかを覚えておくことをお勧めします。
・商品やサービスの名前
・ロゴ
・色や形
<決める時のポイント>
①名前について
名前を決めるときは、四文字がおすすめだと言われています。例えば、ペイペイ、アマゾンなども四文字ですよね。人が覚えやすい簡単な名前にすることで印象に残り安いと言われています。
②ロゴについて
・シンプル
・わかりやすく
・親やすさ
・商品に入れても違和感のないもの
上記4点を意識することにより、消費者に覚えてもらいやすいロゴを作ることができるようになります。
③色や形
消費者心理の中では、購買意欲を促す「赤」がおすすめと言われています。様々な企業カラーを調べてみましたが、ビジネス系は「青」消費者向けは「赤」が多い印象です。これは、弊社の独断と偏見ですので気になる方はぜひ調べてみてください。
②後からでも微調整できるブランド発信
後からできるブランド発信=ブランド・エクセキュレーションと言います。これに含まれるのは、
・商品パッケージ
・店舗の内装
・顧客への接客
などが街頭をします。ディズニーランドのように細部に渡る拘りひとつ、ひとつがブランド全体のイメージを作り上げてくれます。しかし、ビジネスでは最初から完璧に作り上げようとするとかなりの時間を要してしまい世の中へ発信することが遅くなってしまいます。
個人的な意見ですが、世の中にだしてみて初めて様子や消費者に求められていることが分かります。そう考えると、まずは8割程度のブランドを構築し、残りの2割(細部に渡る研修マニュアル)などは後で作り上げていくことをお勧めしています。
ブランド戦略に欠かせなくなったカスターマージャーニーとは?
インスタグラム、ユーチューブなどが飛躍的に伸びる中で、企業のブランドも一方的な発信できる状況ではなくなりました。また、単に商品を購入するという状況よりもクライアントは、商品を利用した時の経験を大切にするというデーターも出始めています。要は、その企業に対していかにファンを作るのか?ということに焦点を当てていくことで、スターバックスのような長年のファンを作ることができるようになります。この時に役に立つのがカスタマージャーニーです。
カスタマージャーニーとは?
カスターマージャーニーとは、サービスを購買するまでの道のりのことです。
従来のマーケティング
商品を起点に、セグメンテーションやターゲティング、ポジショニングからマーケティングの施策を考える。
カスタマージャーニー
顧客を起点に、ペルソナなどを定めて施策を考えます。
このように、起点を顧客にするのか?自社にするのか?という起点がことなります。ただ、従来のマーケティングが悪い!という極端な話ではなく、従来のマーケティングに加えて、顧客視点にたったカスタマージャーにも上手に併用をすることで、より良いブランド発信をすることができると考えています。
カスタマージャーにマップの作り方①
まずは、ブランド戦略をたてて企業のブランドイメージを確立します。その後、ペルソナの設定をします。
<ペルソナの設定方法>
・名前
・年齢
・住居
・年収
・家族構成
・よくみるWEBサイト(SNS)
・平日、休日の生活スタイル
・ライフスタイル
・その人の抱えている課題や悩み
これらを書き加えることによって、より具体的なブランド戦略を立てることができるようになります。
カスタマージャーニーマップの描き方
時系列に伴って、行動、感情、思考、満足度を予測していきます。それに合わせてマーケティングの施策、ブランディングの施策を考えます。書いていく中で、どのタイミングで「顧客にこのサービスが気になる..!」と思わせることができる瞬間を探します。
顧客にこのサービスが気になる!!と思わせるタイミングを企業側で創造することが求められます。例えば、歯磨き粉を販売したいとします。パッケージを見て思わず「デザインが可愛い!」と思ったもたい購入に至ったとします。これが、1回目の購買意欲UPのポイントです。そして、商品を利用したら思ったよりよかった!次も使いたい!と思ってもらうので2回目の購入意欲U Pポイントです。
この仕組みを利用してよくある流れ…
・Google広告のリターゲティング
・メルマガの配信→無料のセミナー→有料のサービス提供
・エステで安く集客→体験→本当のサービス提供
などもカスタマージャーニーを利用することができます。
ここまでを逆算して、自社に必要なブランドの確立と発信を考えることで効果的なブランド発信をすることができるようになります。
ブランドの発信は計画的に
ブランドの発信は、単に情報を発信するだけではなく「どのタイミングで購入意欲を掻き立てる」「どのようなイメージを持ってもらいたいのか」を逆算することで、徹底的なブランディングをすることができるようになります。また、ブランド戦略には・ライティング・色合い・キャラクターなども複合的に考えることにより、競合にも負けないブランドを確立することができるようになります。