マーケティングミックス〜価格の決め方〜

価格設定について

前回は、マーケティングミックスの製品についてお伝えをしました。今回は、価格(Price)について一緒に学んでいきます。この価格設定については、社会的な背景などの影響を大きく受けるので教科書を鵜呑みにしてしまうのではなく、実際の肌感覚を大切にした方がビジネスがうまく行くのではないか?と個人的に思っています。それを含めてお伝えしていきます。

目次

価格の意味を知ろう

私たちが、物を何か購入するときは、当然のように「対価」を支払います。この対価を表すのが「価格」です。この価格と消費者心理は大きく結びついていますので、消費者の心理を学び、競合他社の価格も見ながら自社の価格の設定を考えることが必要です。では、価格はどのように決めれば良いのでしょうか?
今から価格の設定方法について学びを深めていきます。

価格設定の前に知っておきたい価格弾力性とは?

価格を変化させた時に需要が大きく変わるものと、あまり影響を受けないものがあります。この価格の変化の度合いに対する需要の変化の比率を価格弾力性と言います。

価格弾力性が低い場合
商品の値段を変えても需要の変化が小さい

価格弾力性が高い場合
商品の値段を変えると需要の変化が大きい

従来は、コメや野菜は価格弾力性が低いと言われていました。しかし、日本の経済を見ていると徐々に貧困と高所得の2極化になりつつあります。これは、個人的な意見ですが、日用品(野菜、飲み物などの生活費必需品)になればなるほど価格弾力性が非常に高くなるので、値上げや値段設定については慎重に行うことが求められると考えています。

ターゲットに合わせた価格の設定をしよう

価格は、企業のブランドにも直結をしてきます。無印の化粧水が20代〜30代女性に爆発的に普及したように、良い物を安く提供すれば売れることもあります。しかし、世の中のイメージの多くは、「安かろう、悪かろう」が根付いていることも多いです。

特に、世帯年収が高いターゲットの場合は安い物には目がいかないケースもありますので、ターゲットに合わせた価格設定が何よりも重要になります。今回は、価格を設定する際に意識をしておきたい3つのポイントと顧客の心理についてお伝えをします。

顧客に及ぼす3つの価格設定の要因

値段を設定する時に意識したい最初の3つの要因があります。それが、コスト、カスタマーバリュー、競走環境です。それぞれについて簡単にお伝えをします。

コスト
利益を確保するための最低価格のことです。赤字を出さないように、消費者に提供できる最低限の価格を設定します。

カスタマーバリュー
顧客が適切だと認めることができる価格のことです。これには、ブランディングの要素も大きく関わってきます。例えば、普通のサンドウィッチなら1プレート1000円が平均値だとしても沖縄の景色の良い、かつハワイブランドのハレクラニのレストランでは、1プレート3000円でもオーダーする人達がいます。

このように、顧客は単純に商品に対する価格を見るのではなく雰囲気、ブランド、美味しさなどのあらゆる観点から総合的に判断をします。今の時代、インスタ映えをスレば良いという顧客も多いので、付加価値をつけることをお勧めしています。

競争環境
競合との差別化が難しい商品があります。例えば、日用品や野菜、ジュースなどはどこかの会社が値下げをしたらそれに合わせて自社も値下げをする必要性なども出てきます。そう考えると独自のポジションにより、機能性、ブランド、サービスの観点から差別化を図る必要性が出てきます。

価格を設定する3つの方法

価格を設定する際は、消費者の心理をしっかりと深掘りをすることが重要です。マーケティング上では、3つの心理観点から価格の設定を考えていきます。基本的には、コスト志向、競争志向、需要志向この3つがあります。

コスト志向の価格設定

コスト志向の価格設定をする際は、原価を基準に考えます。必要になった生産費用に利益を加えて販売価格を決める方法です。スーパーマーケットなどのコストが明確になっている場合に利用されることがとても多いです。他にも、一定の収益が維持できるようにするために価格の設定を考えるケースもあります。

競争志向の価格設定

競争志向の価格設定の場合は、他社の価格を参考にしながら自社の価格設定を行います。この時に気をつけておきたいことは、価格競争に巻き込まれないようにするために、独自のポジションを明確に構築することです。そうすることで、自社の利益を安定的に出すことができます。個人的には、競争志向の価格設定に焦点を当てることは控えておきたいと考えています。

需要志向の価格設定

顧客が支払いをしても良いと思ってもらえる価格から利益が最大になるように価格の設定をすることです。ブランディングが上手な企業はこの需要志向の価格設定がとても上手です。例えば、飛行機などもこの需要志向の価格設定を上手に利用しています。

ANAやJALなどもプレミアムシートが存在しているようにプラスの価格を払うことにより、少しゆとりのある席で空の旅をすることができるのもこの需要志向に沿って作られています。

もしも、商品を素早く世の中に普及をしたい場合は、開発コストを下回る形で普及をさせる方法もあります。代表的なものにpaypayがあります。企業に対して無料で利用をしてもらい、消費者側にもお得に利用できる割引券を配布。

そして、市場に浸透をしてきた段階で刈り取るという手法です。しかし、この手法は資金力が多ければできるものであり一般的な中小企業では体力に限界もあります。自社の収益をどこで刈り取るのかも考えながら製品の価格の設定をすることをお勧めします。

価格を設定するための軸を決めよう

商品の価格を設定する方法は、全部で3つあるとお伝えをしました。まずは、自社の商品やサービスをコスト志向、競争志向、需要志向のどれにするのか1つの軸を決めることをお勧めしています。一気にあれも、これもと軸を作ってしまうことにより最終的には自分達が一体何をしたいのだろうか..と思うことも多くなります。

まずは、消費者の心理や自社の製品ポジションを見ながらどこの位置でどの価格の軸で設定するのかを考えていきましょう。次回は、消費者心理と価格の設定についてご紹介をしていきます。この消費者心理を学ぶことにより、自社の製品に対してどうしたら利益を出すことができるのか、売れるようになるのかそのコツがわかる様になります。

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