経営者は、会社や社員を引っ張っていく人物。会社のトップだからこそ、制限されてしまう事柄が多くあると思います。
その1つが、「疲れた」という言葉。
経営者も1人の人間ですから、「疲れた」という感情を抱きます。しかし、それを安易に口にできる立場ではありません。社員が不安になってしまうからです。
では、経営者が「疲れた」と感じたら、どうしたら良いのでしょうか?
「疲れた」と感じたら、まず取り組んでほしいことをご紹介します。
①頭の中を整理整頓。考えが明確になれば、対処がしやすくなる
経営者が「疲れた」と感じるのは、どのようなときでしょうか。
・経営不振
・社員とのコミュニケーションがうまく取れない
・会社の未来への不安やプレッシャー
いろいろ原因はあるでしょう。
ただ、「疲れた」と社員たちの前で言えないのが、経営者のつらいところ。
頭の中も心の中もぐちゃぐちゃで、何もかも投げ出したくなることでしょう。
しかし、そんなときは、一度、頭の中も心の中も整理してみましょう。整理することによって、解決策が見つかるかもしれません。
まずは、抱えている感情を認める
「疲れた」と感じながらも、自分をだましていませんか?
「『疲れた』と言っている場合ではない!」と、自分を無理やり鼓舞したり、「『疲れた』なんて言っている暇はない」と、より自分を追い詰めたり。
大分年数が経っていて、くたびれている自動車で遠くまで行こうとしても無理ですよね。どこかで故障してしまいます。
同じように、つらい感情に蓋をして活動をしつづけると、どこかで限界がきてしまいます。
「疲れた」と感じたのなら、それを認めてみませんか?
「ああ、自分は『疲れて』いるんだな」と、素直に認めて吐き出してみましょう。
しかし、経営者は、会社、社員をまとめ上げているトップ。従業員の前で弱音を吐けば、「この会社に勤めていて、大丈夫かな」と、皆が不安を抱くのは想像に難くありません。
そのため、「経営者だから『疲れた』と、言ってはいけない」と、思うのは致し方ないこと。
だからといって、経営者は「疲れた」という気持ちを、心に溜め込むしかないのでしょうか?
いえ、そんなことはありません。経営者だって1人の人間です。自分の気持ちにしっかりと向き合っていきましょう。
何に疲れているのか、頭の中にある考えを書き出す
疲れている状態で、頭の中にある考えを解決しようとしても、なかなかうまくいかないものです。たとえば、漠然と「生産性が悪い」と考えている場合。さまざまな原因が考えられます。
・一人ひとりのスキルが低い
・人員不足
・資金がないために効率のあがる機械を導入できない
これらに対しては、それぞれ、
・社員のスキルアップのために研修を行う時間を作る
・求人募集をかける
・資金繰りの見直し
などの対処法が考えられます。
これらを頭の中だけで考えようとすれば、パンクしてしまいます。
経営者が「疲れた」と感じる原因は、やるべき事柄が多く、それを頭の中だけで考えようとするところにあるのです。
考えていることを全て書き出せば、何に悩んでいるのか明確になります。明確になれば、次に行うべきことが分かりやすくなります。
そうなれば、
・研修に力を入れる
・求人広告を作る
・経理の見直しをする
など、次の行動に移りやすくなります。 「疲れた」と感じているときは、対処法を見つけるのが困難な状態になっているので、ぜひ書き出して頭の中をスッキリさせてみてください。
②経営者は孤独。だけど、1人じゃない
共同経営者がいる場合は別ですが、経営者は基本的に1人で会社の未来を創造する人物。ときには孤独を感じることもあるでしょう。
「経営者だから『疲れた』とは、周りに言えない」と考えることで、さらに孤独を味わうことになるかもしれません。
しかし、経営者は本当に孤独なのでしょうか?
確かに、そのように感じるときもあるかもしれませんが、1人ではないのです。
周りを見てみてください。力になってくれる人、専門家、機関などがあることに気がつくはずです。
疲れの原因を解決できる人や部署に頼る
上の項目でお伝えしたように、悩みや考えを書き出せば、どこに原因があるのか、どのように解決への道を辿れば良いのかが分かりやすくなります。
そうなれば、あとは解決できる部署、社員に依頼をすれば良いのです。人事部に依頼する、経理部に依頼するなど。
ここで大切なのは、決して自分1人で解決させようとしないこと。
社員に頼れるところは頼ってみましょう。
「社長が社員を『頼る』なんて、みっともない」と考える方もいるかもしれませんが、それは頼み方1つで変わります。
「君にこの案件を任せたいんだ」と、社員を信頼している気持ちを含めて頼ってみてください。頼られた社員は、喜びを覚えることと思います。さらに、それが新たなやる気に繋がる可能性もあります。
専門家に委託する
手が回らない業務、いつも後回しになっている事柄などを、社員たちに頼って思い通りの成果を出してきてくれたら、これほど嬉しいことはありませんよね。
しかし、社内自体に余裕がなく、社員も働きづめで頼れない……という状況の場合は、思い切って外部、つまり専門家に頼むのも1つの手です。
専門家に頼めば経費がかかる、と考えるのは当然のことですが、会社や社員にとって良い方法なのであれば、そちらにも目を向けてみましょう。
少し話が横道にそれますが、専門家に頼むのは何も業務だけではありません。
たとえば、職場の整理整頓。意外にも、社員たちのモチベーションが下がる原因のトップクラスは、汚い職場への不満です。
社員たちが整理整頓に使える時間を捻出するのが難しく、後回しにしているために、そのような状況になってしまうのです。
しかし、きれいな職場にするだけで仕事の効率があがるため、掃除の専門家に職場の整理整頓をお願いする企業が多いのが実情です。
このように、専門家に頼る、ということも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
③心の支えとなる人を作る
社員に頼る。専門家に頼る。それらによって、目に見えて少しずつ問題が解決していても、どこか心は悶々としたまま。
そのような場合は、まだ「心のよりどころ」が見つかっていないのかもしれません。
右腕となる人物をそばに置く
会社の事業や社員が多くなれば、それだけ目を配らなければいけない範囲が増えます。しかし、それらをすべて、漏れなく経営者が把握するのは至難の業。「疲れた」と感じるのも当然です。
このような状態になる前に、経営者が見なければいけない範囲を狭くすることが大切。
そこで登場するのが、右腕となる部下です。
すでに、そのような部下がいても、経営者が「疲れた」と感じるのなら、すべてを任せきれていない証拠。任せたことは、報告が来るまで安心して待てるくらいに信頼のおける部下がいれば経営者の心の負担は減ります。一般社員には頼みにくいことでも、右腕となる人物がいれば心の持ちようも変わってきます。
心のすべてを見せられる人や、メンターを作る
「『経営者』という立場が邪魔をして、身近な人に相談ができない」と感じている人もいるのではないでしょうか。
そのような場合、心の専門家に相談するのも良い方法です。
自分をまったく知らない人であれば、弱い部分を見せることへの抵抗が減るかもしれません。
また、経営に関することの相談に乗ってくれるメンターを作るのも良いでしょう。
「経営者だから、すべて自分で決断して、解決しなければいけない」ということは、ありません。経営のプロに相談をして、アドバイスをもらうことで、会社の未来が変わる可能性は大いにあるのです。
④【まとめ】
「疲れた」と感じたら、感情を認めた上でその後の行動を考えていきましょう。
何が問題で、どのように解決したら良いのか。
経営者だからといって、1人で悩むことはありません。
頼れる人に、頼っていきましょう。
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