ターゲットが決まったら、今度は競合相手にどのようなポジションを取るのかを考えます。このポジショニングが上手にできていないと、価格競争に巻き込まれてしまったり類似した商品やサービスに埋もれてしまい目立たない..という状況が起こります。今回は、競合にも勝ち値段競争に巻き込まれないような立ち位置をどのようにしたら取ることができるのか?について細かく解説をしていきます。
ポジショニングとは、自分の地位を確立すること
ポジショニングとは、マーケティングの中でも大切なフレームワークのひとつです。どれだけ良い商品やサービスを生み出していたとしても、その存在を消費者に知ってもらわなければ意味がなくなります。そこで、他の会社とは異なり独自の存在感をアピールしながら売り上げをあげるための施策を考えることをポジショニングと言います。
成功しやすいポジショニングの方法
ポジショニングを行うためには、いくつかのステップがあります。このステップを体得することで、少しでもビジネスに勝てるポジションを取ることができるようになります。少しだけ地道な作業ではありますが、将来的に残るビジネスを制作するために必要なことですので、ぜひやっていきましょう。
ポジショニングを成功させるための6つのポイント
ポジショニングを成功させるための6つの基本的な考え方についてご紹介をします。
顧客の目線を第一に保ちながらも下記の6つを意識しながらポジショニングを行います。
①誰のためのサービス・商品なのか?
②決めたサービスや商品を利用することでどんな価値を提供できるのか?
③ぱっと見て、聞いて相手になんの商品か伝わるのか?
④既存の会社の※イメージと整合性が取れているのか?
⑤市場が十分にあるのか?
⑥売り手の独りよがりになっていないか?
※イメージの整合性とは、例えば100円寿司のスシローがプレミアムなカウンターのお寿司を開業してもクライアントが集まるのか..?という視点で見てみます。ブランドイメージが高級なら高級路線を維持したり、大衆向けなら大衆なイメージを保つことで企業のイメージが崩れないようにします。
①ポジショニングの軸を作ろう
自社で製品の開発をしていると訴求をしたいことが、数多く出てきますよね。例えば、美味しいハンバーグを販売すると仮定します。この商品の特徴を宣伝する時に、NGな例とGOODな例を合わせてみていきましょう。
国産牛100パーセントの手コネハンバーグが特徴です!!
国産牛100パーセントです。石垣島のびのび育った牛を利用しています。しかも、希少部位を利用して、スタッフが手でコネてハンバーグを作っています。炭火焼きで提供します!!
上と下で比較をすると、下の方が訴求がごちゃごちゃしてしまい、一体何を訴求したいのか?何が一番の売りなのかが全くわからなくなり、消費者を混乱させてしまいます。そのため、訴求をしたい内容は、2つまでに絞ることで消費者に分かりやすくターゲットに対してピンポイントに訴求できるので結果的に売り上げに繋がりやすくなります。
②ポジショニングに必要な軸を2つまで用意しよう
商品の訴求内容を2つまでに絞ることが大切だとお伝えをしました。では、どう絞れば良いのだろうか..と悩みますよね。ここでは、商品の訴求を2つまでに絞るまでの過程をお伝えします。
③ポジショニングをするための自社製品の2つの軸の決め方
ステップ①自社製品の特徴を洗い出す
自社製品の特徴をいくつも書き上げます。上限を決めずに何個も書き出すことにより自社の特徴が見えてきます。
ポイント
自社製品の特徴だけではなく、イメージも書き出します。例:機能性だけではなく、環境に優しい、落ち着いたイメージ、派手なイメージなども含めて考えます。
ステップ②ステップ①の製品の特徴の中から顧客のニーズに訴求するポイントと表現を選択する
ポイント
自分(自社)の伝えたいことではなく、先のフレームワークで定めたダーゲットやセグメントが何を求めているのかを第一に考えます。
例えば、機能性の高い圧力鍋が売りだとしても、ターゲットとなるクライアントが30代の主婦の場合、高機能よりも利便性が高いものを好む場合もあります。
このように、ターゲットが本当に求めている内容と自社の製品の訴求方法がブレないようにすることが何よりも大切です。
ステップ③競合との差別化をしよう
ポイント
どれだけ顧客のニーズを満たしていたとしても、他社と全く同じ訴求をしていても埋もれてしまいます。例えば、競合よりも大きな資金投下をする余裕があるのならインフルエンサーのマーケティングやGoogle広告により商品の認知度を拡大し、収益にする方法もあります。
しかし、中小企業の多くは予算が潤沢にあるわけではないので、できるだけ競合とは異なるポジションを取ることをおすすめします。そのためにも、先の競合分析などをを含む3CやSWTO分析がここでも生かされてきます。
ポジショニングはとにかく消費者目線で考えよう
ポジショニングの時に一番気をつけないといけないことは、消費者の目線を無視してしまい、売り手側の伝えたいことだけを伝えてしまうことです。
事前のアンケート調査や実店舗の場合は類似したサービスを提供しているお店に足を運び消費者の目線で物事を考える癖をつけることで少しずつ消費者のニーズを捉えることができるようになります。
基本的なことではありますが、ポジショニングはPCの中だけではわからないことが多く存在します。常に自分の製品の訴求をしたいことだけを訴求するのではなく、消費者のほしい言葉をどこで、どのように伝えることが効果的なのかを考えてみましょう。