マーケティングミックス〜製品について〜

製品の特性

前回、マーケティングミックスについて学びました。今回は、サービスや商品の核となる製品について学んでいきます。ひとことで製品と言ってもその奥は深くコア、中間価値、付随価値などを考えて初めて製品(商品やサービス)が完成をします。最後まで読んで、素敵な自社のサービスや製品を作っていきましょう。

目次

製品制作に必要な3つのコアを決めるフレームワーク

製品戦略はマーケティングミックスの中でも一番コアになる部分です。
コア、形態、付随機能この3つに分解をします。

コア..製品そのもの
顧客が、その製品を購入することで入手できる価値
例:化粧水、焼肉、メガネなど、提供する商品やサービスそのもののことです。

形態機能…品質、特徴、ブランド、パッケージ
消費者側の購買意欲を動かす製品の特徴を表現する
例:化粧水なら容器のデザインや香り、自動車なら低燃費などの機能性、家事代行なら研修制度などの品質ほしょう、居酒屋なら鮮度の良いお肉や魚などの特徴のことです。

※製品によっては、コアよりも形態機能の方が大切というケースもありますので消費者アンケートを行うことをおすすめします。例えば、女性の化粧品ならCHANELやDIORだから化粧品を買うなどブランドを理由に購入するケースもあることを把握しておくことも製品の形態機能を考える上で重要です。

付随価値..アフターサービス、保証
大きな影響は与えないけれど、その存在により安心感やお得感を出し購入決定を促す
例:返品交換可能、1年間は保証つき、デリバリー、テイクアウトなどターゲットとする顧客が何を求めているのかを考えること

まずは、何を売りたいのかを決めた後に実際に他社製品を購入したりサービスを受けた上で自社ならばどうするのかを徹底的に体験をしてみることをおすすめします。そうすることで、消費者が持っているちょっとした不満を見つけその隙間に入れるようにすることも製品のポイントです。

この時に、気をつけたいことは消費者目線での製品開発をすることです。また、競合とも同じ内容になっていないのかも見極めることが大切です。

もしも、自社が2番線時でいくのなら第一線の企業のことを十分に検討し消費者の不満間を埋めるものを作ることができればビジネスは成功しやすくなります。また、どうしても見つからずに同じものを制作する場合は、ブランド戦略を徹底的にする必要があります。

悲しい話、現在ではインフルエンサーのひと声で売れることも多くありますので、ブランドの確立に力を入れていきましょう。

製品の特徴から消費者の心理を考え戦略を練ろう

製品の特性に合わせて、最終的に購買の意思決定する人たちや購入までの比較検討が大幅に変動をします。そこで、重要になってくるのがそれぞれの製品の特性です。まずは、自社の製品がどこに該当をするのかを明確にしていきましょう。

・非耐久財

日常生活で利用されていて、すぐに消費されるもの
例:食料、洗剤、スポンジ、飲み物、化粧品

<購入の流れ>
この非耐久財の場合は、「商品を知ってもらうこと」→「購入」「再度購入をしてもらう」この流れが重要になってきます。

<値段設定>
ターゲットに合わせた値段設定をすることが求められます。例えば、ターゲットが世帯年収600万以上で職にこだわり商品の質を求めている場合は、安価な値段設定をしても見向きもしてくれない可能性があります。

<消費者の心理>
最終決裁権は、その商品を見た本人になるのでその場で決断をします。そのため、パッケージや製品などを他者との差別化を全面に出すことにより購買へと繋げる戦略が必要になります。

<宣伝方法>
非耐久財の重要な宣伝方法としては、マス広告があります。マス広告は、テレビCMや新聞など一定の年齢層に対して大きくアプローチをします。しかし、マス広告を利用するためには、プレスリリースもしくは莫大な金額をかけてのCMとなりますと、中小企業の場合は体力が持ちません。

そこで、おすすめなのが営業の強化やパッケージの変更です。例えば、販売する店舗の拡大、転倒シェアの増大、もしくは売り子さんを利用しての店舗販売などもあります。また、販売価格は通常は低め(日常で購入できる価格)にし大量販売をする方法が主流です。

・耐久財

何度も利用する有形なもの
例:家電製品、車、パソコン、机、椅子など

<購入の流れ>
家族での意思決定も多く、本人が商品を見る→店舗などの人的説明を通す→購入この流れが多いです。以前までは、人の説明を通じて購入することが主流でしたが最近では、ユーチューブなどの購入者が行う解説を見て購買するのか否かを判断することも増えてきました。ただ、基本スタンスは、店舗で人を通じて購入をすることが多いです。

<値段設定>
比較的高い値段がつきます。ターゲットによもよりますが、同じTOYOTA社でも一般的に購入しやすい価格の車種やレクサスのようにブランドを全面に出す方法もあります。ターゲットに合わせた金額設定をしていきます。

<消費者の心理>
例えば、ポルシェなどを購入する世帯層は即決定が多々あります。しかし、それは例外であり通常の消費者心理では、自分だけの判断ではなく最終的な購買決定者が存在するケースが多いです。自社の商品の決定が最終的に誰になるのかも考えることが重要です。

<宣伝方法>
現在では、YouTubeやアフェリエイトで「商品名+おすすめ」と検索をした際に、自社の商品が登場するような仕組みを作ることをおすすめします。認知してもらう→店舗訪問→人の温かみや商品のアフターサービスをアプローチ→購入このようになります。

・サービス

目に見えない無形なもの
例:コンサルティング、家事代行、ホテルなど

<購入の流れ>
基本的には、目に見えない分慎重に考える人たちがとても多いです。「サイトで商品を見る→口コミを探す→購入しようか検討をする→購入」この流れになります。売り手への信頼感を高めることが重要になりますので、多くの企業の場合はメルマガの配信や初回のお試しなどを行うケースがとても多いです。

<値段設定>
値段はピンキリりなると考えています。自社の製品のダーゲットがどこにあるのかで、品質を変えていく必要があります。また、一般的には値段が低いほど「なんとなく」という心理で購入をするケースも出てきます。コンサルやセミナー、コーチングなどの本気で結果を求めてもらうことで効果が出るサービスの場合は、価格を高めに設定をすることで、結果を出せる消費者を集めることができます。

<消費者の心理>
慎重に物事を決断する人たちがとても多いです。例えば、A社、B社、C社全ての資料請求や話を聞く→購入するのか最終決裁権のある人に聞く→購入このようにワンクッション置くケースが多いので自社の売りを明確にすること、そして、対応する人の人柄で購入するのか否かが左右されます。

製品のプロダクトライフサイクル

製品のプロダクトライフサイクルとは、製品が登場してから市場から消えてしまうサイクルのことです。ビジネスの移り変わりは非常に激しいので何十年も残る商品を作ることは至難の業です。

自社製品が衰退をしていくと考えると少々心苦しいものがありますが、まずは製品のライフサイクルを知ることで製品やサービスにあった販売戦略を立てることができるようになります。

ライフサイクルは全部で4つの時期がありますのでそれぞれの特徴とマーケティングの手法について考えていきましょう。

導入期

導入期とは、新製品を発売し世の中に自社の商品が出た時のことです。この時期は、製品の利益は少なく認知度を拡大することが必要になりますので、積極的な認知度拡大への投資が重要になります。

●購買者
新いものに敏感なひと達が購入をします。この購買者の中でも更に2つに分かれています。

・イノベーター
イノベーターは全体の2.5%と言われています。リスクや購入する商品に対してある程度の知識があるひと達です。
誰よりも早く商品を手に入れたい!という心理が強いです。いわゆるマニア、オタクと言われる人たちに多いです。このイノベーターは、仲間どうしでの情報交換は多いもののその他の層(イノベーター以外)に与える影響はとても少ないです。

・アーリーアダプター
アーリーアダプターは全体の13.5%と言われています。先ほどのイノベーターよりも他者に与える影響力が大きく、製品の評価などを広めてくれる存在です。例えば、インフルエンサーなどもこのアーリーアダプターに該当をしていきます。

商品の導入期から成長期では、まだ認知度が低いのでこのアーリーアダプターをどれだけ取り込むことができるのかで、商品の伸び率が変動をしてきます。要は、「よく話をしてくれる主婦のボス」をいかに市場で見つけるのか?ということです。

※インフルエンサーがアーリーアダプターの主な例ですが、このマーケティング手法を利用するには100万、200万で済む話ではありません。そのため、中小企業におすすめなのが自社でインスタグラムを運営をしたり、TikTokを利用した認知度拡大の戦略をとる方が影響力は大きいと考えれます。

※ターゲットによりますので、100%ネットの利用が正しいとは限りません。新聞やポスティングが強い場合もあります。

成長期

成長期になる頃には少しずつ市場に商品を認知してくれる人たちが多くなってきている状況です。導入期よりもコスト投下をする必要はなくなってきますので、利益を回収することができるようになってきます。

●購買者
アーリーマジョリティー
全体の34%の人たちのことです。

成長期の頃に重要なことは、流通ラインの拡大や潜在顧客をどこまで取り入れることができるのかを考えるマーケティング施策が重要になります。成長期にブランドをしっかりと確立することによって、市場で勝てる商品販売をすることができるようになります。

成熟期

成熟期は市場が一定枠浸透をしている状況です。成熟期に重要なことは、ブランドを維持をするためのマーケティング施策です。競合も激化する中で他社との差別化を十分に発揮することが求められています。

●購買者
レイトマジョリティー
全体の34%で比較的保守的な人たちが周りも利用しているから利用をし始めようか?と考えている人たちのことです。

この時期のマーケティングはより一層のブランド化が必要になります。費用対効果の良い流通に焦点をおいたり、リピーターをつけるにはどうしたら良いのか?を考えていく必要性があります。もしくは、この急成長をしている段階で企業や事業を売却するという方法もあります。そうすることで、資本金を残してまた別の事業を立ち上げるという事例もあります。

衰退期

衰退期は、これまでの勢いが少なくなり売り上げも利益も少なくなってきます。この時に「継続」か「撤退」の2つを選ぶ必要性が出てきます。個人的には、「中身は同じでも訴求箇所を大幅に変更をする」という方法もあると思っています。しかし、ここでは、基本的な衰退期についてのマーケティングについてご紹介をします。

●購買客
ラガード
全体の16%です。保守的な人たちで、最終的に購入をしないケースも多いです。

マーケティングミックスの製品特性時に気をつけておきたいこと

これまで、マーケティングミックスの製品についてご紹介をしてきました。しかし、実際のビジネスでは段取り通り物事が進むことはごく稀です。テキスト通りに対応をしても上手くいかない..ということは日常茶飯事です。

これは、個人的な意見ですが最初の段階では、製品のライフサイクルについては特に考えることなく、「製品の3つコア」の部分と「製品の特徴から消費者が購買するまでの心理を知る」この2つの部分を研究することが重要だと思っています。

売り手側のひとりよがりになるのではなく、最初に定めたダーゲット、セグメントの人たちが何を本当に求めているのかを知りながら、マーケティングミックスを行っていきましょう。そうすると成功する確立が格段に上がります。次回は、製品のコアや中間の価値を決めることに重要な「ブランド」について触れていきます。

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