クリニックの新人教育は何から始める?入職後30日・60日・90日の確認表

クリニックの新人教育は何から始める?入職後30日・60日・90日の確認表

クリニックの新人教育は、最初に「教える担当」「確認する担当」「一人で行ってよい仕事」を決めると進めやすくなります。忙しい日にその場にいる人が教えるだけでは、指示が変わったり、教わっていない仕事を任されたりする原因になります。チェック表は、できないことを数えるためではなく、必要な説明と支援を確かめるために使います。

以下の30日・60日・90日は、教育計画を組むための自作例です。全員が同じ日数で習得すべき基準ではありません。経験、勤務日数、職務、資格、自院の安全管理に合わせて調整してください。診療行為の手順や技術判定は、資格と指導体制に応じた専門的な教育で行います。

目次

入職前に、教育する人と相談先を決める

主担当だけでなく、不在時に質問を受ける担当を決めます。「誰に聞いてもよい」では、忙しそうな人に質問できず作業が止まることがあります。質問の緊急度に応じて、その場で確認することと後で振り返ることも分けます。

準備するものは、勤務予定、業務範囲、施設内の連絡先、利用する手順書、端末の利用権限です。患者情報は必要な権限と院内ルールに従って扱い、教育のために個人情報を私物端末へコピーする運用は避けてください。

初日から最初の勤務週は、安全な確認と一日の流れを優先する

初日に大量の手順を説明して、理解したことにはしません。職場の動線、始業・終業の流れ、緊急時の連絡先、判断に迷ったときに作業を止めて確認する条件を共有します。説明した仕事は、本人に手順を言葉で確認してもらうなど、理解を確かめます。

手順の習得は「説明を受けた」「見学した」「指導者と実施した」「確認を受けて一人で実施した」を区別すると、教える側も引き継ぎやすくなります。経験者でも、以前の職場と自院のルールが同じとは限りません。

30日・60日・90日の確認表

目安確認すること医院側が用意する支援
入職前~初日役割、勤務、連絡先、個人情報と安全上のルール担当者、手順書、必要な権限
30日担当業務の基本手順、質問先、分からないまま進める場面の有無途中確認と、質問を整理する短い面談
60日任せる範囲を広げた仕事の状況、引き継ぎの理解不足する経験の機会と指導者の調整
90日継続する支援、担当範囲、次の習得課題本人と合意した次期計画と確認日

日数を過ぎたことと、一人で実施できることは別です。週に数日勤務の人、未経験者、経験はあるが担当が変わった人を、同じ経過日数だけで比べないようにします。到達していない場合は、説明・練習・確認の機会が十分だったかも振り返ります。

業務ごとの教育記録は、この欄で残す

業務実施状況確認した事実次の支援・確認日
予約変更の受付(架空例)指導者と実施通常の変更はできた。例外の確認先に迷った例外の連絡表を渡し、次の勤務で確認
終業時の引き継ぎ(架空例)説明・見学済み本人が担当する場面はまだない担当機会を設け、確認者を付ける

「理解が遅い」と書くより、どの仕事のどこで止まったかを残します。本人の同意なく学習の様子を録画・共有したり、教育目的を超えて健康情報を集めたりせず、記録の閲覧者も限定してください。

面談では、困難と教え方の両方を聞く

質問例は「説明を受けた内容と実際が違った仕事はありますか」「確認先が分からず止まった場面はありますか」「次の勤務までに見本があると助かる仕事は何ですか」です。質問が少ないことを、順調に理解している証拠と決めつけないでください。

教える人によって指示が違う場合は、新人に正解を選ばせず、指導担当側で手順をそろえます。仕事の完成形や期限の伝え方は、世代で決めつけない育成と業務指示も参考になります。

習得確認を、そのまま雇用判断にしない

教育の確認表は、試用期間の終了や雇用終了を自動的に決める表ではありません。契約、規程、説明・支援の経過などを踏まえる必要があり、個別の判断は労務・法律の専門家に確認します。業務上必要な配慮の相談があれば、本人の説明を聴き適切な窓口につなぎます。

育成の確認と処遇の評価を連動させる場合は、スタッフ評価制度の作り方から、目的と本人への説明を先に整理してください。入職後の悩みを把握する面談は、職員ヒアリングの進め方に分けています。

新人本人の努力だけに頼らず、教育担当と役割・評価の仕組みを整えたい方は、クリニックの採用・労務・スタッフ問題対策をご覧ください。相談・見積を経て契約内容を確認する流れです。

参考情報

この記事を書いた人

ミレニアム株式会社 経営支援チーム

医療法人・クリニックを中心に、経営改善、組織設計、人材定着、財務改善、マーケティング支援を行う専門チームです。

院長・理事長への業務集中、スタッフ退職、採用難、評価制度の未整備、事業承継、集患・広報など、医療機関に特有の経営課題に対し、現場の実態と経営構造の両面から課題を整理し、改善策を提案しています。

本メディアの記事は、医療法人経営やクリニック運営に関する実務知見をもとに、経営者が意思決定しやすい情報提供を目的として監修しています。

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